看護師の派遣社員とは

派遣は間接的な雇用

派遣で働く場合、雇用しているのはあくまで派遣元の派遣会社であり、給与は派遣先が派遣元に報酬として支払った中から派遣社員へ支払う形式となっています。

アルバイト・パートにとって、雇用しているのは今働いている職場そのものです。つまりアルバイト・パートは直接雇用と言う雇用形態であり、派遣は間接的な雇用形態に過ぎないのが大きな違いです。

仕事内容が契約により決められている

派遣社員はあくまで派遣されているだけで、大きく言えば「仕事の手伝いに来てくれている人」という扱いです。

具体的な例を挙げると、残業の問題があります。例えば、正社員やアルバイト・パートのスタッフに対して残業を頼むのは難しいことではなく、本人と上司が交渉し同意すれば可能です。

しかし、派遣社員は仕事の内容が契約によって決められていて、契約しているのは派遣会社と派遣先の職場のため上司が依頼するだけでは簡単に通らず、残業は既定の労働時間をはみ出すということで基本的には依頼できません。

どうしても残業を依頼したいのであれば、本人と派遣元に依頼して残業代を必ず支払う義務が生じます。

これが派遣とアルバイト・パートの大きな違いです。

心理的なサポート

派遣看護師の雇用主は派遣会社なので、常にとは言いませんが定期的に派遣会社の担当者が様子を見に来てくれます。契約内容以外の仕事をやらされていないか、セクハラやパワハラに遭っていないかなどを確認し、派遣スタッフの相談に応じてくれるのです。

逆に、派遣先から派遣スタッフの様子を聞いて、このまま契約を続けて大丈夫かどうかの確認もしてくれるため、心強い味方がいると考えられます。アルバイト・パートは個人的に雇用されているため、そうした強力な味方はいません。

正社員と非正規(派遣・アルバイト・パート)の違い

正社員と非正規である派遣・アルバイト・パートとの違いは、主に4つあります。

非正規は昇給・昇格制度がない

一定期間だけ働く契約のため昇給や昇格するのも間に合わず、契約を更新しても仕事の内容は決まっているため昇給、昇格させる訳には行きません。

その点、パートやアルバイトは同じパート、アルバイトの中でもリーダー格、主任役などに昇格する可能性があり、更に正社員に登用されることもあり、大幅な昇給、昇格が有り得ます。

派遣の場合は「紹介予定派遣」であれば正社員への登用があり、最初から直接雇用への移行が分かっているため例外です。

非正規はボーナス、退職金、各種手当ない

基本的にボーナスは正社員のみの待遇であり、非正規であればボーナスはありません。退職金もつきませんが、各種手当については認定看護師や専門看護師など特別な資格を取得していればつくことがあるため、あらかじめ資格について申請しておくことが必要です。

非正規は社会保険が適用されない

社会保険は正社員であれば必ずありますが、非正規だと雇用期間などに左右され、期間が短い派遣だと健康保険や厚生年金などは該当しません。

逆に、労災は雇用形態に関係なくすべての労働者に適用されます。

非正規は福利厚生制度がない

具体的な例だと、社員食堂や駐車場など正社員だと必ず利用できる福利厚生施設が、派遣やアルバイト、パートだと利用できないことがあります。この点については派遣先の方針によって違い、場合によっては利用できることもあります。