藤田保健衛生大学、中部国際空港診療所

場所 旅客ターミナルビル2F(国内線到着出口横)
診療時間 9:00~17:00(休診日なし)

診療所では、空港職員や空港を利用する人たちに対する健康管理やファーストエイドが主な仕事で、体調不良やケガ人などに対応するほか、フライト前やフライト中に気分が悪くなった人がいれば出発・到着ゲートまで迎えに行って対処することもあります。

インフルエンザなどの感染症が流行する際には、施設内で感染予防の対策をし職員に対して注意を呼びかける保健だよりを配布することも行います。また、中部国際空港診療所では希望者に対して予防接種が行われていて、予防接種も看護師の仕事です。

非常に稀ではありますが、航空機事故などが発生した際には被害者を病院へ搬送する優先順位を決定するなど、救助活動をスムーズに行うための重要な役目を任されることもあります。

空港の診療所での勤務は、一般の病院勤務と比べると比較的落ち着いた職場環境ではありますが、一度事故や感染症などが発生すると途端に忙しくなり、職員だけでなく一般の空港利用客にまで対応しなければならないためサービス精神も必要とされます。

患者さんにとって看護師は、空港で働く従業員の1人であることには変わりはなく、そのため無下な対応をしてしまうと空港の名前にまで傷がつくこととなります。接客業のようにいつも明るい笑顔で親切丁寧な対応をすることが求められます。

空港で働くために求められること

基本的な語学力

中部国際空港の国際線は、中国や韓国、香港、台湾、フィリピン、ベトナム、タイ、マレーシア、シンガポールといったアジア各国のほか、ドイツやフィンランド、アメリカといった欧米諸国とも結ばれています。そのため外国人利用者も多く、空港職員の中にも外国籍の人が数多くいるため、空港内に設置されている診療所で働く看護師にも多少の英語力が求められることになります。

場合によっては求人の際にTOEICのスコアが求められたり、外国人慣れをしている海外留学経験者などは多少有利となる傾向があります。ただ実際に空港内診療所での勤務を希望している看護師は、国際看護師として働くことを目指し、日頃から語学の勉強をしているという人が多く見られます。

様々なシフトに対応できる看護師

空港内診療所の勤務は、企業などの医務室勤務と似ているところもありますが、中部国際空港は24時間営業の空港のため場合によっては夜間や深夜勤務が求められることもあります。基本の診療時間は、午前9時から午後5時までですが、休診日はないため土曜日や日曜日の出勤を含めたシフト制が一般的です。

また、中部国際空港は人口島というやや不便な場所に位置していることから、できるだけ近隣に居住している人が望ましいところです。交通手段は電車やバスがメインで、従業員専用の駐車場が設けられているため車で通勤することも可能です。

ただ中部国際空港での看護師求人は欠員補充が通常であるため、あまり見られることはありません。

中部国際空港とは

中部国際空港は、愛知県常滑市沖に増設された人工島にある国際空港で「セントレア空港」という愛称でも親しまれています。また、英語表記としては、「Chubu Centrair International Airport」が採用されています。

中部国際空港からは現在、国内線で18都市の1日76便、国際線で26都市の週276便が就航し、JALやANAといったメジャーな航空会社をはじめとしてさまざまな航空会社が運航しています。最近ではジェットスター・ジャパンなどといったLCCの乗り入れにも力が入れられています。