常勤の平均年収

基本給

精神科や心療内科で働く看護師の給料は、正職員の場合、基本的には他の診療科のナースと同じくらいです。月収にして25万円から30万円、年収にすると350万円から420万円くらいが平均年収となっています。

地方によっても多少の差があり、都心では350万円が相場でも、地方では年収250万円くらいが相場というのも珍しくありません。

特別手当

上記で説明したお給料に加えて、病院によっては特別手当がつくこともあり、実際はもう少し高くなっています。特別手当がつくパターンには、例えば精神看護専門看護師などの専門性のある資格を取得していることが条件になります。基本給が高くなるので、夜勤がなくてもかなり高い給料が期待できます。

勤続年数

加えて勤続年数が長ければ、更に上乗せされてくるため、平均年収はあくまで平均でしかなく、400万円、500万円、600万円と年収が高い職場は大いに有り得ます。

危険手当

東京23区ほどそうした傾向が強く、ボーナス支給の平均は80万円ほどと高く設定されている病院がほとんどです。このように精神科の給料が高めに設定されているのは、危険手当がつくからです。

精神疾患の患者さんは抑制心が弱くなり、暴力に走ってしまうことが珍しくありません。自分自身への暴力なら自傷行為、他者への暴力なら傷害行為となってしまうため、医師も看護職員も患者さんを取り押さえる抑制力が必要とされています。迂闊に看護師が怪我をすると拙いこともあって、患者さんに怪我をさせず、自身も怪我をしないスキルへの報酬が危険手当という給料の高さに現れています。精神科のナースに男性が多い理由も、女性より腕力が強く抑制力を期待されてのことです。

夜勤手当と残業手当

平均年収を更に伸ばしたいという場合、夜勤や残業のある求人を探すとよいでしょう。危険手当に加えて夜勤手当、残業手当がつき、かなり高水準の年収が期待できます。

ただし、中には残業がないこと、夜勤がないことを期待して転職してくる人もいるため、そうした人は当然他の診療科より低い年収となります。もしくは復職する時に、夜勤がなくてやりやすい精神科・心療内科へ来るパターンもかなりあります。復職したばかりなので、年収に関してあまり気にしない人が多く、問題にならないからです。

アルバイト・パートの時給相場

精神科や心療内科で働く看護師の給料は、アルバイト・パートの場合、正職員よりは少なくなりますが、他の診療科よりは高い時給相場となっています。現在の時給相場は1,500円から2,000円の間と言ったところです。

アルバイトの場合も、精神看護認定看護師などの資格を取得している人なら時給が更に高くなり、ボーナスを支給してくれる病院もあります。小さなクリニックや単科の病院であれば普通の時給相場で、危険手当がつく分少し高いくらいです。

上記のとおり、危険手当や夜勤手当、残業手当がつくのは、正職員も、アルバイトやパートの場合も同じであり、高い時給を求めているのなら夜勤のある病院の求人がお勧めになってきます。求人票には、夜勤の有無などの勤務形態もはっきり記載されているので必ず確認しましょう。

精神科の看護師バイトは高給与?

こうして残業や夜勤を全てこなしていけば、アルバイトやパートであっても、実質的に正職員と変わらない給料を手にすることができます。ただし、実際にそこまでの時給を求めるとなると、かなりの激務となるため、体力に自信にある人にしか出来ません。少なくとも夜勤で生活サイクルが狂うことを嫌がる人ににはできないでしょう。

精神科の看護師の給料に高い期待を抱く場合、激務をこなすだけの体力、精神力、看護職としての技能が必要であることを忘れてはいけません。逆に言えば時間の空いた時のちょっとしたアルバイトのつもりであれば、ちょうどよい時給相場と言えます。実際医師も同じようにアルバイトをしており、病院によっては正職員より多いくらいです。