夜勤専従看護師の雇用形態は、大雑把に「常勤」と「非常勤」とに分けられます。

具体的には、常勤の正職員、非常勤のパート・アルバイト・派遣です。

通常働く上でメリットが多いのは常勤ですが、夜勤専従の場合は働き方として特殊な面があるため、常勤と非常勤のどちらを選ぶかはその人のライフスタイル、そして重視するメリットがどのようなものかで違ってきます。

「常勤」の夜勤専従看護師として働く場合

職場に直接雇用される安定感がある

安定した職に就けるという安心感、福利厚生を受けられることなどが多彩なメリットとしてついてきます。ただし、夜勤専従の常勤の求人数そのものが少ないというデメリットがあります。

夜勤専従という働き方が最近になってできたもので、非常勤の方が圧倒的に多いからです。求人数の少なさというデメリットを克服してでも働きたい場合、常勤は大いにメリットがあります。

ボーナスや諸手当てが多く月収が多い

常勤と言うことは正職員ですから、夜勤1回の手当額は少なくても夏と春のボーナスも期待でき、総合的に見て収入が安定しています。

病院側からしても、夜勤専従のスタッフがいつ辞めてしまうのかという恐怖感から逃れられます。

どうしても夜勤専従の常勤の求人が見つからないようであれば、まずは非常勤から始めて、職場と交渉して常勤に移れるようにするという手もあります。真面目に働く勤務態度や勤務実績を評価してもらえれば、こうした手段があるのです。

注意点として、病院側は本当は夜勤と日勤の両方をこなす常勤の看護師を欲しているため、夜勤専従から時々日勤をこなす人を探しています。また、求人には夜勤専従と言いつつ日勤もこなしてくれる人を歓迎すると書かれていることもあります。

夜勤専従で働きたいのであれば、求人内容を読み落とさないように注意しましょう。

「非常勤」の夜勤専従看護師として働く場合

求人数が常勤よりもはるかに多い

夜勤専従は本来夜勤をする看護師が不足した状態を補うため、パートやアルバイト、あるいは派遣社員を使い、一時的に人員不足を補充するために生まれた働き方です。

そのため、現在も非常勤の求人の方が多く、職場側としても抵抗感なく募集しやすいという事情があります。

夜勤1回あたりの給料は常勤より高い

実際に給料の高さに惹かれて夜勤専従として働く人はかなり多く、稼ぐ場所としては最適です。

パート、アルバイトで働く人は、一度結婚、妊娠、出産、子育てなどの事情で離職した人が多く、ブランクを作らないように夜勤専従で繋ぎを作っているパターンがあります。もしくはそれまで常勤で2交代制、3交代制で働いていた人が多忙さに疲れたり、結婚をきっかけに働き方を変えて夜勤専従の非常勤に変わるというケースもあります。

派遣で働く場合は、派遣会社に夜勤専従で働きたいという意思を伝え、それを受け派遣会社は夜勤専従を募集している職場を探すという訳です。中には派遣として働きたいけれど夜勤専従希望でなかった人が、担当者から夜勤専従の求人を勧められて夜勤専従で働くようになったというケースもあります。

働く上で融通が利きやすい

常勤のメリットは安定していること、その分融通が利かないのがデメリットです。非常勤はその逆、不安定であることがデメリットで、融通が利くのがメリットです。

例えば、非常勤で働く場合、いつでも勤務先を変更できます。もともと非常勤での募集は一時的な人材補填のための仕事ですから、辞める時も気楽というのがメリットなのです。

職場に馴染みにくかったり、プライベートの時間を確保して公私の時間をはっきり分けたいのであれば非常勤の方がお勧めです。自分の働きたい日、働きたい時間を選ぶと言う点では、非常勤のメリットが魅力的に感じられることでしょう。