同じ職場に長くなれば、避けられないのが新人指導。

「ゆとり世代だねぇ(悪意たっぷり)」「平成生まれとは話通じないわ」「聞いてるんだかいないんだか」「謝りもしないんだから!」などなど…のれんに腕押しのような日々にウンザリしていることでしょう。

自分の教育やら意図やら熱意やらが、通じないんですよね。相手の態度や行動もちっとも変わらないし…

私も実際に、目の当たりにした出来事がありました。新人に指導をしている最中、私達2人の横を1人の医師が歩いていきました。その瞬間!!私が話しているのにもかかわらず、「あっ!先生!!」と新人看護師がその医師を引き止めたのです。

私は、「全然私の話を聞いていなかったのね」「何も響いてないのね」と指導をしても無駄とウンザリした覚えがあります。

日本語は通じているはずなのに、うわ滑りばかり。言霊とやらはどこ行ったんだ?人の皮を被った宇宙人か?なんて、虚しさを感じることも少なくないと思います。

新人看護師は「かりてきたねこ」

最近、流行りの叱り方は

…感情的にならない
…理由を話す
…手短に
…キャラクター(人格や性格)に触れない
…他人と比べない
…根に持たない
…個別に叱る

だそうです。

ごもっとも!これならゆとり世代にも、傲慢に見えて繊細な平成生まれにも通じそう!まぁ実際、叱る場面になったら頭から吹っ飛んじゃいますけどね…

一つでも、意識して始めることでしょうか。

速攻で効くと思うな指導と湿布

あとは、繰り返し言い聞かせていくことだと思います。

後輩とはいえ、相手も何十年と生きてきています。患者さんの危険に繋がるものは、その場で罵倒してでも理解と改善が必要ですが、勤務に取り組む姿勢や勉強の仕方、指導される側の礼儀などはその子の性格や人格にも関わります。

それらを、いま仕込もう!いま言って聞かせてやろう!というのは無理がありますよね。100回言ってようやく少し改善で御の字、ぐらいの気持ちで関わりましょう。

我々モ宇宙人ダ!

新人看護師にとっては、我々先輩看護師こそが宇宙人です。自分の知らないことを山ほど知っていて、経験している先輩看護師。指導は有難いけれど、自分の経験値が少なすぎてイマイチ響かない、理解できない。

新人看護師の「ポカーン」な顔を見たら、「イラっ」としつつも、「あぁ、見当がつかないんだな」と相手を気遣う気持ちを少し見せられると良いですね。

参照
『叱られる力』 I 叱る覚悟と聞く力 より  阿川佐和子:著  文藝春秋:刊