転職以前は総合病院の整形外科病棟で5年間働いていました。女性看護師です。
その前には老人ホームでの5年間の勤務経験と個人病院での10年間の勤務経験、大学病院での5年間の勤務経験があり、それぞれの転職の際に最大2年ほどのブランクがあります。
四度目の転職を決意した年齢は48歳でした。新しい職場は、整形外科の個人病院です。
人手不足の職場で残業の日々
転職の最大の理由は、職場の忙しさでした。常に人手が足りず、勉強会やカンファレンスが多くで昼休みも十分にとれません。病棟勤務でありながら、手術室の人員不足のため病棟の仕事を終えた後に手術室勤務にかりだされます。
ひどいときは日勤を終えてそのまま手術室にはいり、夜中の2時まで仕事をして、翌日は朝から日勤という過酷な勤務が続きました。もちろん病棟業務も時間内に終わることはまずありません。毎日毎日、残業で夜9時過ぎに帰宅することが当たり前になっていました。
生まれたばかりの赤ちゃんを傍であやしながら残業をしていたお母さん看護師までいました。夜勤は4人体制でしたが、救急の受け入れがあり、地方病院で他に救急体制の整った病院が少ないため、容赦なく外科や脳外科の患者さんが送り込まれてきました。
もちろん専門外の方はお断りしようとするのですが、救急車の職員の方も何件もの病院に断られるためなんとか受け入れてもらおうと、事実と違う連絡をしてくることもありました。地域医療のこのような問題も忙しさの一つの原因だったように思います。
体力的・精神的な限界を感じ、一旦退職して他の職場に移ることを決意
5年目になろうという時期に、とうとう体を壊して入院することになりました。休職を申し出た際には上司に渋い顔をされ、退院して復帰した際にすぐに夜勤を任されたりして体だけでなく精神的にも限界を感じました。
「このままここにいたら体が良くなるどころかどんどん悪くなる」と本気で思いました。自分自身の体力や熱意が足りなかったことも事実ではありますが、例えあったとしてもそれだけで補える状況ではなかったと思います。結局、5年目を終える前に退職する運びとなりました。
転職活動は体をもとの状態に戻してからと考え、ゆったりしたペースで行いました。幸い傷病手当が支給されましたし、家族の協力もあったので、経済的に差し迫った状況ではなかったためです。ハローワークを常にチェックし、転職サイトも利用しました。
サイトの名前は「ナースではたらこ」だっだと思います。看護協会の求人情報にも目をとおしました。次の職場の条件としては、とにかく以前の職場よりは体力的にも精神的にも無理をしないでできる仕事ということを基準に選びました。
これまでの経験を生かした「整形外科」の病院であることと、規模の小さな「個人病院」であることを基準にいくつかリストアップし、実際に患者として受診してみたりしました。もう失敗はしたくないという思いが強く、イメージや求人票だけで選びたくないと感じたからです。
転職活動で利用したサービスについてですが、どこも親身になってくれてこちらが尋ねたことをきちんと病院側に確認してくれてとても助かりましたが、「ハローワーク」の情報は専門でない分情報に少しおおまかな点があり、「ナースではたらこ」はとても熱心ですがちょっとしつこいかなという感じがあり、「看護協会」は他に比べてかなり押しが強い感じがありました。
転職を経て
現在、転職をして2年目になりますが、マイペースで楽しく仕事ができています。
患者さんの数が多いとバタバタすることもありますが、以前の職場の様に「もうだめだ」と思うほどのことはなく、スタッフも和気あいあいとしており、仕事以外でカラオケに行ったり旅行に行ったりすることもあります。
確かに年収はかなり下がりましたが、自分の時間がもてることがありがたいし、体調もすっかり回復しました。
転職する際にはお給料が下がることで迷ったこともあったのですが、もしそこを妥協せずに依然と同じような職場を選んでいたら、同じことを繰り返していたように思います。
完璧に満足できる職場はないと思いますので、自分がどの部分を妥協できるかよく考えて答えを出したことで満足できる職場を選べたと感じています。
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