眼科で身に付くスキル

眼科特有の知識と技術

同じ眼科でも総合病院などの大きな病院での勤務と、規模が小さく外来のみのクリニックとではすこし求められる看護師のスキルも異なります。眼科特有のスキルや資格として求められるものもあり、また、キャリアをつんでいくなかで身につけることができる技術もあります。

眼科の診療の特徴はたいへんデリケートな目やその周辺の疾患を扱うことです。視力検査や願圧測定などから、視野検査、眼底検査、超音波眼球検査など、専門的な検査が多いのも特徴です。そのなかで看護師が果たす役割りは居大きく、そのため検査機器について熟知し使いこなすことができなければなりません。

これらの検査機器を一人前に使いこなすことができるまでには大変な努力が必要です。大規模な病院ではたくさんの看護師で分業することもありますが、小規模なクリニックではひとりでこなさなければならない範囲も広く大変です。しかし、大変な苦労をしただけ多くのスキルを身につけることができ、熟練していけば難なくこなすことができるようになります。

手術介助能力

手術をするクリニックや入院設備のあるクリニックや総合病院では手術室や病棟の仕事もあります。外科や内科などのように容態が急変したりということは少ないですが、デリケートな器官の手術であり、術後は視力が不安定になったり、また眼帯をしなければならないなど、あとのケアにはきめ細かい配慮が必要です。

眼科の手術でもっとも多いのは白内障です。短時間の手術なので、一日に何件もこなすことも珍しくなく、忙しいなかにも慎重さ、正確さが要求されます。

そして、患者さんには高齢者も多いので、術後の不注意で事故や怪我がないようになど、気配り心配りが大切なところでもあります。手術や入院がない外来のみの場合でも、診療の介助は大切な仕事です。

眼科のスキルアップ関連資格

眼科に関連した資格で看護師が取得しておくと転職に有利になる可能性がある資格がいくつかあります。眼科診療アシスタントや視能訓練士などです。

眼科診療アシスタント

眼科診療アシスタントは、かつてはOphthalmologists Associationを略してOMAと呼ばれていましたが、現在は眼科コメディカルという名称になっています。

受験資格は、日本眼科医会の会員の眼科医の元で働いていて、眼科コメディカルスクリーニングという講習を受講することです。試験の内容はそれほど難しいものではありません。年に一度行なわれる試験に合格すると資格を取得することができます。

視能訓練士

一方、視能訓練士Orthoptist(ORT)は国家資格です。眼科における視力検査、屈折検査、視野検査、眼圧検査などさまざまな検査を行い、眼科医にデータを提供することで医療をサポートするのが仕事です。

検査の他には、弱視や斜視などの障害のために視力が出にくい患者さんのための矯正訓練、病気や加齢のために視力が弱くなった患者さんへのリハビリテーション指導、学校や職場など病院以外での集団検診スクリーニングなども視能訓練士の仕事です。

資格の取得のためには、視能訓練士国家試験に合格して厚生労働省の視能訓練士名簿に登録されることが必要です。受験資格を得るには学校や養成所で所定の科目を履修することが必要で、試験は一年に一回実施されます。看護師資格を有していて眼科への転職を目指すのであれば、取得しておくとたいへん有利な資格です。

高齢化によって目に疾患を持つ人が増え、またパソコンなどで目を酷使しなければならない環境によって視力が低下するなど眼科の需要がますます増えてくることが予想されます。

いろいろな理由で他の診療科からの転職を希望する人も増えてくる可能性もあり、希望通りの職場に就職するためには、スキルアップや資格の取得をして備えていくと、よりよい転職ができる可能性が広がります。