就職して間もない看護師さんも、ベテランさんも、経験年数に関係なく、失敗は怖いものです。
また次も失敗したらどうしようと、悩んで胃がキリキリと痛んでいる人はいませんか?
そんな悩める看護師さんに、経験年数別の対処方法をご紹介します。
新人さんの場合
何をするにも、新しいことばかりで、毎日覚えることが山のようにある新人さん時代。
びくびくしながら勤務している人も多いのではないでしょうか。
よくありがちな失敗例
- 伝票処理の方法を、何度も間違える
- 必要物品が十分にそろえられない
- 患者さんの質問に上手く答えられない
- 記録の書き方を間違える
- 物事の優先順位をつけられず、周囲に迷惑をかける
このようなことはないですか?
でも、大丈夫です。
みんな誰でも最初は新人で、同じような道を通ってきたのです。
では、失敗を怖がらずに前向きに乗り越えるためには、どうしたら良いのでしょうか。
乗り越える方法
これは、新人さんに多いことだと思いますが、新しいことをどんどん実践していく中で、一度どこかで失敗した経験があると、全てのことが怖くなって動けなくなってしまうというものです。
誰でも間違えますし、失敗を重ねて経験を積んでいくものです。
むしろ、最初の段階で失敗をして、怖いと感じる感覚こそ、一番大事だと思います。
私の後輩も、同じように一度失敗したことから、恐怖感を抱き、何をするにも積極性がなくなってしまったことがありました。
その時にその後輩にかけた言葉と同じことを、同じように悩んでいるあなたにも送ります。
看護師というのは、良くも悪くも業務に慣れていってしまいます。
その最初の段階で、看護業務に怖さを感じることはとても重要な意味があります。
それは、それだけ、自分の行動一つで、患者さんの命が左右されるという責任の重さを、心底味わったという点にあります。
慣れが生じた後では、この感覚を研ぎ澄ませることは、かなり難しいと感じます。
そのため、最初からこういったリスク感性を養うことは、今後の看護師人生で大きなプラスになるのです。
そう考えて、今は怖くて辞めたいと思うかもしれませんが、自信を持って進んでください。
最初は右も左もわからず、失敗することも当然だということを、先輩は十分承知しています。
なぜなら、自分たちも同じ過程を進んできたからです。
そんな先輩たちに、アドバイスを積極的にもらいましょう。
しかし、ここで一つ重要なポイントがあります。
これは、近年よく言われていることですが、ただ何でも聞くのはよくありません。
自分なりに考えて、自分の答えを準備してから、質問しましょう。
そうすることで、先輩もあなたがしっかりと考えを持ったうえで、確認のために質問してきていることや、一生懸命に頑張っているということを感じ取れます。
頑張っている後輩のことは、ちゃんと応援してあげようという人がほとんどですので、怖い気持ちも積極的に、伝えて共有しましょう。
きっと、心強い味方となってくれますよ。
中堅・ベテランさんの場合
中堅・ベテランさんのクラスになると、ある程度のことは自分で可能になりますし、様々なことに慣れている時期でもあります。
しかしその慣れこそが、ヒヤッとしたり、失敗につながって動けなくなることも少なくありません。
よくありがちな失敗例
- 後輩が心配だからと確認を依頼してきたのに、適当に聞き流し、間違えた
- 平行して2名分の作業をしていたら、患者さんを入れ替えてしまった
- よく使う薬だからと十分に確認せずに、誤投与した
- チームのことばかりに気を取られていたら、自分の業務でミスをした
このような、通常業務の慣れからくることが、多々あるのではないでしょうか。
慣れに対する人間の反応には限界がありますので、思わぬところで、失敗をしてしまうこともあると思います。
また、この時期になると、まさか自分がミスなんてしない!という過信も起きやすいため、一度失敗すると、そのショックは相当なものになりやすいです。
新人さんのミスとはまたタイプがことなり、自分の普段の役職などの責任から、影響度も大きいため、次の失敗を必要以上に恐れて、時には辞めてしまおうと考えるのも、仕方ないかもしれません。
それでは、どのように対処すれば、また自信を持てるようになるでしょうか。
乗り越える方法
一度失敗すると、失敗のイメージだけが残り、どうしても前向きに成功することが想像できなくなってしまいます。
以前、職場の同僚が、輸血を使用する患者さんを取り違えそうになり、あわや異型輸血をしてしまいそうになったことがありました。
幸い、投与寸前で気が付き、患者さんに致命傷を負わせることはありませんした。
しかし、その同僚はそれがトラウマになり、しばらく患者さんへ何かを投与することが一人ではできなくなってしまいました。
そこで、職場ではこの同僚だけではなく、職員全体で、薬や点滴を投与する場面を想定したセットを作り、シミュレーションしながら、もう一度正しい投与方法などを勉強しなおすことになりました。
この同僚は、その失敗で受けた恐怖心が先に立ってしまい、まずはその気持ちを和らげることも必要だったので、シミュレーションだけで解決したわけではありませんが、事前に同じ場面を想定することで、徐々に自信を取り戻すことができました。
シミュレーションを行うことは、自信をつけるだけではなく、実際にやってみることで、思わぬ落とし穴も体感することができます。
あくまでも、想定の中で行われるとレーニングなので、患者さんに不利益を及ぼさないですし、不安に思う業務や場面を自由に設定できます。
自信をなくしてい場合には、ぜひ取り入れてみてください。
ベテランの域に入ってくると、相談する相手も限られてきてしまうかもしれません。
しかし、同じポジションにいる人は、同じ思いをしていることが多いので、新しい対処方法が見つかるかもしれません。
そして、それを行うのは、同じ職場内ではなく、外部の人を参考にするのがベストです。
外部の研修会や、地域の集まりなどで、職場の異なる看護師さんと意見交換することが可能であれば、それは大きな助けになるでしょう。
というのも、同じ職場内だと、失敗した背景にある組織的な問題に気が付きにくいからです。
ベテランになってくると、あなた個人の失敗というよりも、根本的な課題が根底にあることも多くあります。
それらに気が付かせてくれるのは、職場の違う看護師さんです。
それぞれに、意見交換をすることで、次の失敗を重ねないための、根本的な解決方法を見出せるかもしれません。
怖いと悩む前に、別の角度から問題点を見つめてみましょう。
これは少し、本題からそれるかもしれませんが、怖くなっている失敗内容が、どう考えても次も同じような失敗をすることが目に見えている場合などには、職場を変える選択肢もあります。
具体的には、残業が多く、圧倒的な業務量で、適切な対応ができない職場環境であることからきた失敗などに怖さを感じている場合です。
これは一個人の今後の対応とは関係なく、誰でも何度でも同じようなことが起き得る状況です。
このような職場環境では、永遠に自信が持てずに疲労ばかりが蓄積し、悩みは尽きません。
もし、こういった状況であるならば、その悩みが解消できるような、余裕の持てる新しい職場を選ぶことも必要です。
まとめ
失敗は誰でも怖くて、辞めてしまおうかとも悩みます。
しかしそこを越えられば、前向きに楽しく看護師を続けられるので、いろいろな方法で乗り切りましょう!
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