患者さんの急変への対応は、慣れていますか?それとも苦手ですか?
頻回に急変が起きる部署でない限り、やはりドキドキして自信を持てない人が多いと思います。
そんな中でも、苦手意識が強く、看護師を辞めようと悩んでいる人に、いくつかアドバイスができればと思います。
最初は、急変対応への苦手意識を克服する方法を紹介し、続いて、そもそも急変が起きにくい職場や、苦手意識を持たなくても済むような職場の選択方法について、ご紹介します。
悩んでいてつらい方は、ご参考にしてくださいね。
現在の職場で働き続ける場合(急変対応に慣れる方法)
急変対応って、本当に嫌なものですよね。
特に、めったに急変した場面に出くわさない場合、使用する物品の準備一つから、あたふたしてしまい、怖いと感じるものです。
私は看護師になった当初は、急変とは無縁の内科勤務で、自分が対応しないといけない場面が来るなんて、夢にも思っていませんでした。
しかし、その時は突然やってきました。
糖尿病で入院してきた若い患者さんが、目の前で突然意識を失って、廊下に倒れたのです。
新人だった自分は、何も処置ができないどころか、満足に応援を呼ぶことすらできませんした。
そんな私が、最終的に急変だらけの救急対応の道へ進むまでの経験を元に、苦手意識の克服方法についてご紹介します。
イメージトレーニングをする
そんな油断していた私が、苦い経験をしたことで、強烈な苦手意識を持つことになりました。
あの緊張感の高まりに、ひたすら怖いと感じで、思考が停止してしまうのです。
しかし、時間がたつにつれて、自分が苦手だと感じ理由は、急変対応のイメージが沸いていないからだということが分かりました。
知らないことには誇大な妄想を抱きがちで、必要以上に恐れてしまうものです。
そこで、最初は、常に「今、急変が起きたら、どうやって対応しよう」という意識を持つことにしました。
その日の受け持ちの数や、チームのメンバーなどによって、急変時には、臨機応変に対応が求められます。
完全にイメージのみですが、今起きたらどうする?とイメージすることで、具体的に自分のことと考えることができるようになりました。
そして、漠然とした不安がなくなり、むやみやたらに怖いと感じることもなくなっていきました。
苦手で看護師を辞めたいと悩んでいる人は、まずは、この習慣から始めてみてください。
すぐに効果があると思います。
救急カートをチェックする
チームで対応するイメージができたら、次は実際に使用する物品に慣れることが大切です。
人の流れや役割はイメージできても、対応の中心に入った際に、必要物品をそろえられないのでは、十分ではありません。
物品に慣れる一番良い方法は、救急カートの点検を自分で行うことです。
救急カートには、急変対応時に必要な物品がほぼ揃っているので、実際のものがどこに入っているのか、どのように包装されているのかなど、実践的な知識を身に着けることができます。
また、普段使用しない物品も多く入っているため、余裕のある普段から、手に取り、実物に慣れておくことは、非常に有意義です。
私は、自分の夜勤シフトのたびに、自分でカートをチェックすることにしました。
別の点検担当もいたのですが、自分のために、追加で点検することにしました。
そうすることで、自然とカートにも愛着がわき、身近な物に思えてくるから不思議なものです。
パターン化して慣れる
最後は、実践の話です。
これは、ある程度訓練が必要ですので、急変対応の講習会への参加が必須になります。
そして、それは一度ではなく、定期的に行う必要があります。
手技を忘れてしまうということもありますが、蘇生処置などは、ガイドラインの改定も多く、常に最新の知識を持つことで、自信をもつことができるからです。
苦手意識を持っている人こそ、ここは押さえておきたいポイントです。
さらに急変時の流れの中で、使用する薬剤や、医療機器をセットで覚えてしまうこともお勧めです。
私は、最終的に救急対応を行う部署に異動した際に、ある程度のパターンで行動していました。
例えば、体格の大きな患者さんの場合、挿管チューブがこの太さだろうと、チューブの当てをつけて、先回りして、挿管に必要な物品をセット完了した段階で、指示を待つようにしました。
そうすると、パニックになったり、焦ったりすることなく、余裕を持って対応できるので、余力が生まれ、スムーズに対応できる自分に、さらに自信をもてるようになります。
パターンを覚えるためにも、講習会などに頻回に参加し、流れ作業のように体に覚えこませることで、苦手意識は絶対克服できます。
何もできなかった私でも、変われたのですから、皆さんも看護師を辞めようと悩むのではなく、自信を持ってください。
急変が苦手な看護師でも働きやすい職場に転職
これまでは、現在の職場で、急変対応への苦手意識を克服する方法をご紹介しました。
続いては、新しい職場を検討する方法に焦点を当ててみましょう。
急変対応に慣れた医師がいる職場を選ぶ
急変への苦手意識は、自分で対応できる・できない以外にも、あの雰囲気が嫌いという人も多いのではないでしょうか?
特に、対応に慣れていないパニックになった医師が、怒鳴り散らしたり、分かりづらい指示を飛ばしたりと、場が騒然とする、あの環境への拒否感をよく耳にします。
それは、職場に恵まれていないかもしれません。
私の勤務先の職場では、急変時こそ落ち着いて、リラックスが必要だという意識を持った医師が多くいるため、決して怒鳴り散らしたり、わめくことなく、冷静かつ穏やかに迅速に処置を行います。
この効果は絶大で、全員が本来持っている能力を最大限に発揮することができます。
そういった意味で、急変対応時のリーダー役割はとても重要なのです。
転職する際は、ぜひこの視点も取り入れてみてください。
急変対応に慣れた医師が在籍しているかを、実際に確認するためには、その病院に勤務している看護師さんへ直接確認するのが、一番良い方法だと思います。
しかし、知り合いがいなくて難しいという場合も多いと思いますので、面接時などに、直接病院関係者に確認したり、募集案内を掲載している企業等の担当者に、確認してみるのはいかがでしょうか。
また、あくまでも一例ですが、集中治療医を配置している職場は、経験に長けた医師が多いので、おススメです。
そもそも急変のない職場を選ぶ
とはいえ、急変は絶対に嫌だ!という人もいますよね。
そんな時は、無理せずに、急変の起きない職場へ転職しましょう。
具体的には、入院設備を持たないクリニックや、健康診断を中心とした検診業務などが良いのではないでしょうか。
他にも、介護系の施設での勤務も視野に入れても良いでしょう。
しかし高齢者が多い職場なので、急変をゼロにすることはできません。
おそらく、窒息の対応や、転倒・転落への処置などは求められるでしょうが、仮に急変が発生した場合でも、近くに提携している医療機関があるなど、バックアップ体制が整っていれば、いざという時にも安心できます。
また、最近では延命処置を希望しない人も多く、自然に任せた最期を迎えるというスタイルを尊重する職場もありますので、看護師を辞めなくても、選択肢はたくさんあります。
まとめ
急変が苦手な場合には、まずは克服できるかもしれないという気持ちで、できることをやってみることをお勧めします。
それでも、やはり苦手で辞めようか悩んでしまうようなら、選択肢は他にもたくさんあることを念頭に、楽しく働ける道を選択してください。
いろいろな形の看護師さんが求められているので、自分のスタイルで働きましょう!
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