新人看護師として働き始めて3ヶ月。このころに突如出現する「壁」があります。

先輩看護師の多くがよじ登っていったこの壁。いとも簡単に登ることができる人もいれば、とても苦しんでやっと登った！という方も出てくることでしょう。

あなたがもし、入職3ヶ月くらいで「辞めたいな」と感じていたら、もしかしたらこの壁のどこかにぶちあたっているからかもしれません。

新人看護師さんに襲い掛かる「3ヶ月目の壁」を乗り越えるための方法を解説します。

「3ヶ月目の壁」の正体とは。何が新人看護師を追い詰めているの？

１．次のステップへ進む時期

看護師として働き出して3ヶ月経つと、徐々に仕事の流れが掴めてきたかと思います。教育ラダーなどの流れに従って、新しいステップに進む段階がこの時期です。

3ヶ月の試用期間が終わり、勤務者が少なくなる休日の勤務がスタートします。早いところだと、夜勤に入りだす人も出てくるかもしれません。

新たな段階へと進むことで、さまざまな課題が出現し壁を感じることがあるのです。

２．身体的、精神的なプレッシャー

看護師は身体的にも精神的にもきつい仕事であるのは否定できません。そのことが身に染みて分かり初めてくるのは働き出して数か月たったこの時期でしょう。

ハードな仕事に身体がついていかなかったり、患者さんと死別してとてもつらい経験をしたりすることもあります。

予想以上の救急度の高い現場に配属され、プレッシャーに耐えられないという場合もあるかもしれません。

今までは我慢できていた少しの無理が積もり積もって、気づかぬうちに大きなストレスになってしまっていることもあるのです。

３．理想と現実のギャップにリアリティーショック！

看護師として働きだすと、学生の頃に抱いていた看護師のイメージとの違いにショックを受けることがあります。

それは自分自身の仕事のできなさ具合であったり、職場の人間関係であったりとさまざまです。

社会人として充実したライフスタイルを送れると思っていたら、休日も勉強や研修にあてなければいけないという現実に愕然とすることもあります。

看護師って思っていた仕事と違うかも、自分には向いていないかも、とショックを受けてしまう人もいるかもしれません。

入職3ヶ月で辞めたいと思っているあなたへ。その対処法とは

看護師として働いている方なら、きっと誰しもが通ってきたであろう「3ヶ月目の壁」。

打開方法もきっとあるはずです。看護師10年目の私が見てきた対処法を、いくつかご紹介したいと思います。

１．次のステップへ進むのがつらい・・・そんな壁への対処法は？

休日勤務や夜勤など、次のステップへ進むのが不安だ、つらい・・・そう感じている新人看護師さんはどのようにこの壁を乗り越えればよいでしょうか。

実はこの壁、案外すんなりと越えられるかもしれません。

というのも、解決策は「経験」だけだからです。

この時期の休日勤務や夜勤において、師長や先輩看護師は、新人看護師さんを1人前としてカウントしていません。そのため、まだ仕事ができないことは大した問題ではないのです。

休日勤務や夜勤の流れがどのようなものかを理解し、現場の雰囲気を感じる。それがまずは最初の課題です。まだ未熟な状態でも、まずは経験してみることがとても重要となってきます。

夜勤などは、特に気力・体力の消耗が激しいですよね。

最初はみんなそんなもん！

徐々に慣れてくるものです。慣れるまでは確かに大変。でも気が付いた時には、案外壁を登り切っているかもしれませんよ。

２．プレッシャーがつらい・・・そんな壁への対処法は？

患者さんとの死別をどのように乗り越えていくか、これは看護師にとっては宿命かもしれません。

特に初めて経験する死別や、親しみがあった患者さんとの死別はとてもつらく悲しいものです。今後のあなたの看護観が大きく変わってくるかもしれません。

気持ちが沈んでしまったり、なかなか立ち直れないということがあった場合は、師長さんや先輩看護師に自分の気持ちを素直に話してみると良いですよ。

その経験をどのように今後に繋げていけばよいか、アドバイスももらえることでしょう。

ハードな勤務や緊急度の高い現場についていくことができずにプレッシャーを感じている場合も、一人で抱え込む必要はありません。

むしろ、そういったときほど周りの人に助けてもらいましょう。同期でも、先輩でも、師長でも構いません。

大切なことは、あなたが今精神的・身体的に負荷を感じているということを、周りに気づいてもらうことです。

どのように乗り越えればよいかを知っている人は、あなたの周りに必ずいます。

無理をして病気になってしまったり、出勤できなくなったりしてしまう前に、SOSを出すことで解決の糸口は必ず見えてきますよ。

３．リアリティーショックから立ち直れない・・・そんな壁への対処法は？

なんでこんなに仕事が出来ないんだろう・・・職場の先輩に怒られてばっかりなんだろう・・・思っていた看護師像と違う・・・

そんなリアリティーショックを感じていたとしたら、それはあなたが成長段階にある証拠です。

まだまだ駆け出しの新人看護師。

仕事ができなくて当たり前！先輩に怒られて当たり前！理想の看護師と違っていて当たり前なのです！

1年後のあなたは、今よりもっと理想の生活・理想の看護師像に近づけているはずです。5年後、10年後はもっともっとできるようになっています。

大切なことは、自分にはできないと最初から諦めないこと。

いつかできるさ！くらいの気持ちで、まずは一歩ずつでも経験を積んでいきましょう。

それでも解決しないときは、思い切って「転職」するのもひとつの方法！

新人看護師さんの誰もが感じるであろう「3ヶ月目の壁」をご紹介しました。

その壁を大きく感じるか、壁とも感じないかは人それぞれ。たいていのことは時間や経験と共に乗り越えられるものですので、安心して下さい。

しかし、時間や経験では乗り越えられない問題もあるのは事実です。

  • 職場の人間関係が悪い
  • 丁寧な指導や教育を受けられない環境にある
  • 希望と違う部署に配属されて働く気力が全く出ない

このような解決しない問題を抱えている場合は、思い切って転職するのも一つの方法です。

新人看護師として働き出してすぐに転職を考えることはきっと多くの不安要素があるでしょう。

しかし、「この経験を生かして次こそは自分にあった職場を選ぶんだ！」という気持ちでいた方がうまくいくかもしれませんよ。

幸いなことに、看護師は就職先に困ることはありません。

あなたがあなたらしく働ける職場を見つけて、少しでもストレスなく働くことができると良いですね！