最近は、新人看護師への教育制度の一つとして「プリセプター制度」が取り入れられている病院が多いです。皆さんも、プリセプター制度があるかということを勤務先を選ぶ時の条件としていたのではないでしょうか。

プリセプター制度は、「手厚い指導を受けることができる」ということや「安心感を得ることができる」などの多くのメリットがあります。しかし、中にはプリセプターとの関係で悩みを抱えている新人看護師の皆さんもいるでしょう。

新人看護師のプリセプターとの関係でよくある悩みと解決法を紹介します。現在悩んでいる方は、参考にしてくださいね。

プリセプターに関する悩み①プリセプターと合わないと感じる

新人看護師は、自分を担当するプリセプターとの関わりが重要となります。プリセプターに多くのことを指導してもらうことで、看護師として成長できるのです。

新人看護師の皆さんは、「プリセプターの先輩、やさしい人だったらいいな」など、あなたを担当するプリセプターに希望があると思います。しかし、プリセプターを決定する際、新人看護師の希望は通りません。そのため、「プリセプターとなんか合わないな」と感じることも多々あります。

プリセプターと合わないと感じると、指導を受けているときにストレスを感じてしまいますよね。どうしても合わないと感じるのであれば、一度上司に相談してみると良いでしょう。「なぜ合わないのか」ということを一緒に考え、理由がわかると、プリセプターとのかかわり方がいい方向に変わる可能性がありますよ。

プリセプターに関する悩み②全員が教育熱心なわけではない

プリセプターといえば、「担当の新人看護師に対してしっかり指導し、悩みがあればいつでも相談に乗ってくれる存在」というイメージを持っている方が多いでしょう。もちろん、多くのプリセプターは教育熱心です。しかし、中には教育に関して興味がなく、「上司に言われたからプリセプターをしているだけ」という方もいます

このような先輩が自分の担当のプリセプターとなると、「ほかの新人看護師のように成長できないのではないか」と不安になりますよね。このような場合は、まずは自分からプリセプターの先輩との関係性を築くようにしましょう。

関係性をうまく築くことで、自分から質問したり相談しやすくなります。すると、あなたに対して指導をしてくれたり、相談に乗ってくれるようになるでしょう。

プリセプターに関する悩み③常にプリセプターが側にいないと不安になる

プリセプターが側にいることで、安心感を得ることができますよね。特に、初めて行う処置や自信のないケアを行うとき、プリセプターが側にいることで心強く感じるでしょう。

勤務を始めてしばらくの間は、プリセプターがマンツーマンで指導をしてくれるので安心です。しかし、プリセプターが側にいることが当たり前となってしまい、常にプリセプターが側にいないと不安に感じてしまうことがあるのではないでしょうか。

私も新人看護師のころ、側にプリセプターがいることで安心して患者さんのもとへ行くことができていました。しかし、プリセプターの先輩が常に側にいないと不安を感じ、何をしなければならないのかわからないという状態となってしまったことがあります。

プリセプターの先輩がいないと不安に感じるという新人看護師は大勢います。しかし、不安を感じる必要はありません。

常にプリセプターの先輩が側にいないということは、「あなたに任せても大丈夫」と認めてもらえているということです。「常にプリセプターの先輩が側にいないと不安」と考えるのではなく、「自分一人でも大丈夫」と考えるようにしましょう。

プリセプターに関する悩み④プリセプターの知識やスキルが不十分に感じる

看護師として働き始める前は、「プリセプターに様々なことを指導してもらって、看護師として成長していこう」とやる気を感じているでしょう。しかし、あなたの担当となったプリセプターの先輩に対し、「本当に十分な指導をしてもらえるのか」と感じることや、「ほかの先輩看護師に比べて知識もスキルも不十分な気がする」と感じることもあるのではないでしょうか。

プリセプターを任される先輩は、全員が知識やスキルが高いというわけではありません。若い看護師の割合が高い病院や看護師の人数が不足している病院の場合、知識やスキルが不十分であったとしても、プリセプターとして新人看護師に指導をしなければならないこともあるのです。

プリセプターの先輩の知識やスキルが不十分に感じる場合、まずは自分で調べるようにしてください。自分で調べても解決しない場合は、一度プリセプターの先輩に相談しましょう。相談して解決しないのであれば、ほかの先輩看護師に相談してみてはいかがでしょうか。

最初からほかの先輩看護師に相談すると、プリセプターの先輩との関係性が悪くなる可能性があります。最初からほかの先輩看護師に相談しないようにしてくださいね。

プリセプターに関する悩み⑤ほかの看護師と関係性を築くことができない

プリセプターの先輩といい関係性を築くことができていると、些細なことでも質問をしたり相談をしやすいですよね。また、同期の新人看護師以上に多くの時間をプリセプターの先輩と過ごしているという方もいるでしょう。

プリセプターの先輩といい関係性を築くことができることはとてもいいことです。しかし、プリセプターの先輩と過ごす時間が多ければ多いほど、ほかの先輩看護師や同期の看護師と関係性を築くことが困難となってしまう場合もあります。

最初はプリセプターの先輩と関係性を築くことが大切です。しかし、看護師として患者さんに看護を提供するためには、ほかの看護師ともいい関係性を築く必要があります。

できれば、プリセプターの先輩ばかりと過ごすのではなく、ほかの看護師と過ごす時間も作るようにしましょう。「ほかの看護師に対して気軽に話しかけることができない」という場合は、まずはあなたから挨拶をするようにして、少しずつ距離を近づけることができるように努力してくださいね。

最後に

プリセプター制度があると、「しっかり教育をしてもらうことができる」と安心します。しかし、プリセプター制度にはメリットばかりではなく、紹介したようなプリセプターとの関係性による悩みが生じることもあるのです。

改善策をいくつか紹介していますが、難しい場合もあるでしょう。改善が難しく、つらい思いをしているのであれば、転職を検討してもいいと思います。

ほかの病院だと、現在あなたが悩んでいるプリセプターとの関係性を改善できるでしょう。プリセプターとの関係性を改善することで、新人看護師としてさらに成長することができますよ。