現在、私はデイケアセンターという介護施設にいるので認知症の利用者さんがたくさんいます。認知症と一口に言っても色々な症状があるので、それぞれの症状に合わせた対応の仕方が必要になってきます。

認知症の症状に合わせた対応

見当識障害

まず、デイケアに来ているということが分かっていない利用者さんは、利用時間中も落ち着きがなく、時には家に帰ろうとします。そんな利用者さんにはなるべく時間を持て余さないように介護者が付き添って作業をしたり、何とか納得できるように半分ごまかしの言葉をかけて利用時間を過ごしてもらうように工夫しています。

持ち物の管理が出来ない

自分の持ち物の管理が出来ず、自分のカバンの中に他の人のものを入れたり、カバンの中のものを自分で出したのに誰かに取られたと大騒ぎをしたりする方がいます。家族の人と連絡を取り、余分なものは持って来ないようにするのは当然ですが、あからさまにカバンの中を確認したりすると利用者さんはプライドを傷つけられますので、利用者さんに分からないように持ち物を確認する配慮が必要です。

自分が正しいと思い込む

認知症の方は自分が正しいと思い込んでいるので、それを頭から否定すると信頼感が崩れ、余計にこちらに隠れて色々なことをするようになってしまうので、自尊心を傷つけないように気を配らないといけません。

怒りっぽく、頑固になる

それまで穏やかだった人が認知症になってから急に怒りっぽくなったり、頑固になったりする人がいます。そんな時も利用者さんの話に耳を傾け、否定的な言葉を使わずに対応しなければなりません。話が通じないからと言って利用者さんを軽んじるような態度は持っての外です。

介護施設で大切なこと

介護施設では時として利用者さんに対して諭すようなことを言ったり、親しみを込めて子供に話しかけるような言葉使いをしている場面を見ることがありますが、良くないことだと思います。

利用者さんは常に年長者だということを忘れずに、敬う気持ちを持って接することが大切だと思います。

それは認知症のあるないに関わらず、お年寄りと関わるうえで一番重要なことではないでしょうか。