遺伝カウンセラーとは

どんな資格?

認定遺伝カウンセラーとは、遺伝医療を受けようとしている患者や家族に適切な遺伝情報を提供し、同時に支援体制などについても説明します。そして、患者に社会的なサポートや心理的なサポートを行いつつ、患者が自ら意志決定ができるように支援をすることが仕事です。

また、医療研究を行う側、医療技術を提供する側とは違う独立した立場から患者を支援することが求められ、日本では2005年4月1日より正式に認定遺伝カウンセラー制度がスタートしました。

この資格を取得するためには、最新の遺伝医学の知識を身につけるだけでなく遺伝カウンセリングに関する実地訓練を積むことも必要です。さらに、主治医や診療部門とチームになって、法的にも倫理的にも社会的な課題についても対応できることに加えて、専門的なカウンセリング技術も習得している必要があるのです。

認定先 日本遺伝カウンセリング学会と日本人類遺伝学会
資格保有者数 2014年12月時点で、認定遺伝カウンセラーは161人います。
難易度・合格率 遺伝カウンセラーの資格を取得するためには、まず全国に11ある大学院の修士課程で2年~3年、遺伝医学や心理学などを学ぶ必要があります。2010年には41名が認定試験を受験し32名が合格し、今後も毎年20人~30人が認定されていく予定です。

遺伝カウンセラーの資格を活かせる職場

認定資格をもつ認定遺伝カウンセラーの職場は、大学病院や不妊クリニックのほか、研究機関や製薬会社などがあります。認定遺伝カウンセラーは、さまざまな分野で活躍しています。

遺伝カウンセラーの将来性

日本では認定遺伝カウンセラーはまだまだ耳慣れない職種ですが、遺伝医学が進んでいるアメリカ合衆国では既におよそ30,000人の遺伝カウンセラーが活躍しています。日本でも遺伝医学の進歩などによって、社会から求められる仕事になると予測されています。

遺伝カウンセラーの資格取得者のお給料事情

認定遺伝カウンセラーの年収は500万円~ということです。

年収のモデルケースとしては、32歳で経験1年目の遺伝カウンセラーの年収はおよそ500万円、37歳で経験3年目の遺伝カウンセラーの年収はおよそ650万円、42歳で経験5年目という遺伝カウンセラーの年収はおよそ750万円となっています。

遺伝カウンセラーの資格取得のポイント

受験資格 京都大学大学院や川崎医療福祉大学大学院、東京女子医科大学大学院、近畿大学大学院、千葉大学大学院、東北大学大学院、長崎大学大学院、藤田保健衛生大学院という全11大学院に認定遺伝カウンセラー認定養成課程があり、これを修了することにより認定遺伝カウンセラー認定試験の受験資格を得ることができます。
審査方法・試験内容 認定遺伝カウンセラーの認定試験に合格すると、日本遺伝カウンセリング学会と日本人類遺伝学会の共同認定による認定遺伝カウンセラーの資格を取得できます。認定遺伝カウンセラー試験は、筆記試験と面接試験があり、筆記試験は必須問題と遺伝カウンセリングに関する専門分野の選択問題からできています。
受験日程 平成27年度の認定試験は2015年9月27日の日曜日に実施され、2015年6月1日から7月31日までが受験申請書の受付期間となっています。認定試験の必要書類は、認定遺伝カウンセラー制度委員会の事務手続きのページからダウンロードできます。
費用・会場 受験手数料として30,000円が必要で、会場は東京都新宿区河田町8-1にある東京女子医科大学です。なお、認定証の発行には認定手数料10,000円が必要です。
問い合わせ先 東北大学東北メディカル・メガバンク機構人材育成部門遺伝子診療支援・遺伝カウンセリング分野内認定遺伝カウンセラー制度委員会事務局
詳細な情報がわかるURL http://plaza.umin.ac.jp/~GC/index.html