訪問入浴看護師の平均給与額

正職員の場合

正職員として職員を採用している事業所も多くあり、より安定した収入を期待することができます。月給で30万円から35万円前後といった金額が平均的であり、一般的な勤務時間は午前8時30分から午後5時30分ですから日勤専従の病院職員とそれほど変わりません。

また、正職員を採用している事業所は総じてデイサービス施設も併設しているといったように規模の大きなところが多く、特に需要が高い東京や大阪などといった都市部に目立ちます。待機時間中や現場の数があまりないときなどは、デイサービスで業務にあたるようなこともあります。

●正職員の時給換算モデルケース
給料の金額を時給に換算すると1,900円から2,200円程度でありアルバイトとそれほど金額の開きはありませんが、収入は安定します。ただし全体的には多忙であり、1日に5軒以上を訪問することも少なくないながら残業はあっても30分程度です。

アルバイト・パートの場合

月に数回程度などといった短期や単発のスタッフを募集している場合が多く見られていて、ダブルワークや副業として働きたいといった人も歓迎されています。その収入については地域や事業所などで多少の差があり、時給に換算して1,800円から2,200円程度といったところが標準的です。

非常勤雇用の場合、原則として、入浴サービスを提供している時間帯だけが給与の支払い対象とされます。そのため、訪問先へ到着するまでの移動時間などは含まれないようになっています。

たとえば2,500円程度の時給で求人募集が出されていたとしても、移動時間も含めた拘束時間全体で計算すると1,800円から2,200円程度の平均的な金額になります。場合によっては1,500円以下になっていることもあります。

●アルバイトの時給換算モデルケース
午前10時と午後1時に1件ずつの現場があるとすると、午前11時に1件目が終了してから次の仕事が始まるまでには2時間の空き時間ができることになります。ですがそのおよそ2時間に別の仕事を入れることは実質的に困難ですから、実質的にはおよそ4時間がすべて拘束時間ということになってしまいます。

4時間の拘束時間であっても給料の支払いはあくまで現場となった2件分のものですから、時給が2,500円であれば手取りが5,000円ということになります。これを拘束された4時間で割ると、結局時給としては1,250円になるのです。

訪問入浴の時給が高い理由

訪問入浴サービスというものは、あくまで利用者がいて成り立ちます。そのため1日のうちに3軒から5軒を訪問するようなときもあれば、1軒しかないといった場合もあります。

また、利用者が高齢者であるため、体調が優れないといったときにはキャンセルとなってしまうケースもあります。そのためたとえ1週間や1ヶ月先までの勤務予定が一応は確定しているとしても、給料の金額がその予定通りにならないということはしばしばあります。

さらに、訪問入浴サービスの仕事について、病院と比較して仕事がより楽そうといったイメージを持っている人もいるのですが決してそのようなことはありません。結構な体力も求められる現場であり、働いてみて病院の外来や病棟で勤務することがより楽だったと感じる人もいます。

こういった理由もあり、訪問入浴の時給は高めに設定されていることが多いです。もちろん、すべての職場が大変なわけではなく求人先の方針によるところが大きいです。

なかには短期や単発のアルバイトスタッフに対しては、給料を即日払いしている事業所も少なくありません。そのため病院などから転職を考えている人がまず病院でも働きつつ、副業というかたちで短期や単発の勤務にあたっている事例も多くあります。