管理職の看護師が配属されやすい医療安全対策室の仕事についてご存知ですか?

医療事故や感染対策、医療に関する安全を考え、働きやすい環境づくりや職員の安全管理、患者さんの満足いく医療を考える場所が、医療安全対策室です。

直接的な患者さんの看護行為を行う事は少なく、どのように患者さんに安心した医療や療養環境を提供できるかを、過去の事故や経験をもとに、対策する現場です。

経験の浅い看護師には、なかなか閃き難い医療安全の現場ですので、新人看護師や若手看護師はあまり存在しません。主任、師長クラスの熟練した看護師や、医療安全や感染管理に関する認定資格を持った看護師が勤務している事が一般的です。

必要な看護技術・知識

医療安全対策室には、医師、看護師、薬剤師、医務職員など多くの専門職種が在籍します。

各専門分野での医行為や患者さんとの関わり、情報管理等の危機意識を高めるべく、インシデントやアクシデント、医療事故に関する調査や対策を講じます。

看護師では、転倒転落リスク、褥創発生リスク、薬剤の誤投与や投与ミス、指示受けのミスや院内感染などの予防対策を行います。

リスクに対する認識を持ち、「もしかしたらミスに繋がるかもしれない」「こうすればミスを防げるかもしれない」などと意識を持って対応する力が求められます。

幅広い看護経験

危険認識を持つと言う事は、あらゆる医療経験を持ち、「おや」「あれ」と気付く力が必要です。経験をしていると言う事は、あらゆる失敗経験もあり、成功経験もあると言う事です。

良い経験、悪い経験を含めってリスク管理が行えるようになります。よって、分野を指定せず、看護師としての経験や実績が重要となるのが医療安全対策室での看護力です。

危険予知やリスクに対する統計や知識

危険に気付き、それに事前な対策を講じること、また、危険を経験し、次に同じ過ちを繰り返さない行動をとることが、医療安全対策室の役割です。

日々報告されるインシデントやアクシデントの情報を収集し、その統計や情報結果から、次に活かす看護や処置を講じられる知識が必要です。

冬が来て、インフルエンザが始まる頃には、事前に蔓延しないようなケアや行為があるでしょう。そのような予測しうる事象に対し、予防的観点から対策出来る知識も必要です。

現場看護師の教育技術

いくら対策を考えても実践するのは現場です。対策室で考えられたことが現場に活かされなければ意味を成しません。

現場の看護師や管理者に適確に指示を出し、その対策が守られるよう指導徹底する事が必要です。

机上の空論にならないよう、現場教育と、現場視察を行い、適切な対処が出来ているか、出来ていない場合の指導を行い、危険や事故が起こらないよう注意喚起を行う必要があります。

患者さんの不満やクレームに対応するコミュニケーションスキル

医療安全対策室には、患者さんからのクレームが来る場所でもあります。

「あれって危険じゃないですか」「危ない経験をしたのですが」「あれって、医療事故ではないですか」と問われる場合があります。

これに的確に対応できなければ、患者さんの不満は増大し、医療訴訟に繋がる事もあります。

患者さんの思いや意向を聞き、誠実に応えられる知識や現場との調整、コミュニケーションや信頼を持って、納得して貰える対応が出来る看護師が求められます。

まとめ

医療事故や医療過誤、院内感染などはあってはならないことです。

スタッフと病院を利用する高型が安心して受診、療養できる環境づくりを行うのが、医療安全対策室の役割です。

看護ケアを行いたい看護師には不向きですが、自分の経験を活かし、後輩や後身の看護師が安心して看護行為が出来るようサポーターとしての役割を担う事も多くあります。

患者さんの満足と納得の為に働き、看護師の働きやすい環境づくりに力を注げる、教育者、指導者として活躍できる現場です。