看護実習では多くを体験出来ない耳鼻咽喉科の診療領域ですが、看護師として経験を積み重ね、家庭をもち、第二の看護師人生を夜勤の無い耳鼻咽喉科のクリニックで始めようと考える看護師の方もいるのではないでしょうか。

また、総合病院の混合病棟などでは、病棟の専門ではないものの、耳鼻咽喉科のベッド数があり、その患者の看護を行うケースもあります。

耳鼻咽喉科の取り扱う疾患は、耳や鼻、喉に関する疾患や怪我があり、時に命にかかわる病気や、見た目の容姿に関わる疾患もあり、患者さんの不安や苦痛が伴う治療が多くあります。

また、小児の訪れることが多い領域であり、保護者とのやりとるが重要となったり、昇格障害によりコミュニケーションが困難な患者さんも訪れます。

このような特徴ある耳鼻咽喉科で働く看護師に求められる知識や技術はどのような内容があるのでしょうか。

耳鼻咽喉科で求められる人材になる為に少し学んでみましょう。

必要な看護技術・知識

耳鼻咽喉科では、一般的に、ほとんど日常生活支援を行う事が無いでしょう。

聴覚障害を有する患者さんには、日常生活が重要と考えられがちですが、その方の自立した生活を保つためには、多くを手出しする事が有効でない場合があります。

また、成人、小児と耳鼻咽喉科にかかる患者さんの多くは、自分に事が自分で出来、看護師の日常生活ケアをあまり必要としない患者さんばかりです。

よって、此処での看護は、医師の指示に基づく検査や処置の実行と、安全な療養や診療を支えるお手伝いとないます。

ネブライザー治療の看護技術

耳鼻咽喉科で多く利用される治療のひとつにネブライザーがあります。喘息患者、痰のきれない患者、風邪や咽頭疾患の患者に多く行われる治療です。

鼻に行うタイプと、口腔に向けて行われるタイプがあり、医師の指示により正しい薬剤を用いて正確に薬が投与されるよう支援が必要です。

看護師は、一つ一つの薬剤知識を持ち、きちんと適正量を計量し、その薬剤をセットした後に安全に患者が、投薬されるよう準備、実践する事が必要です。

また、エアーの出具合が適正かを観察し、コンプレッサーが正しく作動されているかなどの機械知識も必要です。

そして、機械を使用した後の消毒や滅菌などの操作も必要です。

鼻出血の止血介助

耳鼻咽喉科には、鼻出血にて受診される患者や、治療や処置により鼻出血を来たした患者の止血介助を行う事があります。

出血しているという現象は、どの部分であれ患者の強い不安を駆り立てます。その為、正しく処置する事で早期の止血を図り、また、精神的に安心できる様な関わりが必要です。

鼻止血に必要な、鼻鏡、電気凝固機器、セッシ、カンシ、吸引器やガーゼなど必要物品を把握し、医師の介助が滞りなく行える知識と技術が必要です。

また、医師と自分自身の感染予防対策を熟知し、もし感染症を有した患者でも、自分たちを脅かすことのない感染予防の知識あが必要です。

また、そのような患者に使用した器具等の滅菌作業や消毒方法を知っておく事も必要です。そして、大切なことは、最近の患者の傾向として高齢者が多く、高齢者は、多くの疾患を抱えています。

患者の既往を知り、出血性疾患の有無や出血傾向に関わる薬剤内服の有無などの情報を得ておくことも必要です。

難聴患者とのコミュニケーション技術

耳鼻咽喉科には、先天的な聴覚障害、疾患による一時的な聴力低下の患者が訪れます。通常の会話が困難な場合があり、コミュニケーション法の習得も求められます。

聴覚障害者には、言葉で伝えても聞こえない為に会話ができない場合があります。手話、筆談、パソコンでのタイピング、文字盤の利用など、その方の慣れたコミュニケーション法に合わせた会話が必要です。

そして、聴覚障害の患者は、聞こえない為に強い不安や恐怖を感じています。その問題に関わり、処置や治療、ケアを行う際は、充分に理解できるような説明と丁寧なケアが必要です。

配慮とゆとりある対応で、安心感ある看護ケアを実施する余裕も必要です。

聴覚検査の介助(標準聴覚検査)

標準聴覚検査は、耳に関する問題を抱えて来院した患者の多くに行われる検査です。一般的な検査で、どの看護師の一度は経験したことがある検査でしょう。

耳の聞こえにくさの程度を客観的に捉える検査で、小さな医療機関や検査技師の不在な医療機関では、看護師が行う事もあります。

オージオメータを用いて検査を行う為、この検査機器の使用法と取り扱い方を知っておく必要があります。

眼鏡、補聴器、ピアスなどの装着物を外し、正しく検査が行われるよう介助します。

また、実施中無駄な音により検査結果に支障をきたさないよう、自分自身の行動や施工方法の注意が必要です。

まとめ

耳鼻咽喉科では、日常生活支援はあまりありいませんが、聴覚や平衡覚に異変を来たしている患者さんの為に、安全な環境づくりの支援が大切となります。

転倒の危機意識を持ち、安全に歩行や移動が出来、安心して生活できる療養環境設定、危険予知の認識が必要です。

また、機器類を取り扱い治療や検査が多く、一つ一つの使用法や何故使用するのかという知識、保管法、取り扱い時の注意点を知っておく必要があります。