脊椎・脊髄外科にかかる患者さんは、どのような疾患を抱えているかご存知ですか?整形外科では対応できない、脊椎や脊髄の専門治療を要する高度で先進的な治療を求める患者さんが訪れます。

看護師は、脊椎損傷、脊髄損傷、脊髄腫瘍、脊椎の変形や異常を来たした患者さんを担当します。そして、運動器系疾患や腫瘍系疾患など疾患の根本治療による機能回復や生活の質向上に向けた治療を行います。

突然の事故や怪我による運動器系障害、悪性新生物と診断を受けた神経系疾患など、患者さんの心身に与えるダメージの多い現場です。

どのような疾患にせよ、機能を失い、精神的に落ち込み、悲痛を抱える患者さんが多い診療科です。

此処での看護師に求められる知識や技術はどのような内容があるでしょうか。

必要な看護技術・知識

入院する患者さんの多くは、疾患や病変におり日常生活が自力で行う事が難しい場合や、療養による二次的障害で悩まされる患者さんが多くいます。

治療に対する介助や指示の実践、安楽ケアによるストレス軽減や、精神的安寧を図れる看護を求められます。

褥創ケア

疾患により、長期臥床、活動制限を言い渡される患者さんが多くいます。脊髄損傷患者や脊髄腫瘍患者、術前後の患者さんに、このような活動制限が成されます。

褥創は、局所的圧迫が持続する事によるスキントラブルで、進行すれば筋肉組織。骨組織まで浸潤を来たす細胞破壊です。

看護師として、褥創のメカニズムを知り、発生しないような看護を実践しなければなりません。

頻繁の体位変換や身体の清潔保持、循環促進ケアや安楽ケアを行います。そして、栄養状態のアセスメント、基礎疾患の管理等、褥創を悪化させる要因の有無を知る知識も必要です。

また、発生させてしまった場合の手出しい対処法を習得しておく必要があります。褥創に関しては、認定看護資格を経ちあげられるほど、看護師のケアが重要とされる領域です。

脊髄損傷患者さんの排泄障害の知識とその対処技術

脊髄損傷患者さんは、その部位により排泄障害を来たす場合があります。排尿障害や、排便障害を来たし、排尿トラブルや膀胱炎などの感染症を来たす場合があります。

この疾患の場合、その機能が完全に回復する事の期待は薄く、自己管理法までを指導できる知識と技術を有します。自己導尿や看護師による導尿、膀胱留置カテーテルの管理、膀胱ろうの造設など、患者さんに合った治療法が選択されます。

特に多いのが、導尿と言う方法を選択されることが多いです。導尿技術により、尿路感染リスクがあり、自己管理の際も、看護師が行う際も、清潔操作で行う必要があります。実戦力と、指導力両方が求められます。

起立性低血圧の理解

脊髄損傷患者さんは、早期離床、早期リハビリ開始を果し、廃用症候群や機能障害克服への支援を受けます。

しかし、この疾患は、下肢筋力低下や循環障害を来たし、起き上がりや立ち上がりなど当然に人が行う動作により血圧を低下させ、ふらつきや気分不良、悪いケースでは意識消失を来たし場合があります。

よって、起立性低血圧への知識を有し、正しく、安全に療養と治療が行えるよう看護師としてサポートしなければなりません。

また、起立性低血圧を来たした時の対処法を理解しておくことも必要です。

車いす移乗のケア

下肢機能低下により歩行困難となった際、車いすでの移動が必要となります。その身体機能の障害程度にもよりますが、車いす移乗も全介助や部分解除が必要です。

看護師として、自分の体に負担が少なく、かつ、患者さんにとても安楽な移動ケアを実践する技術が必要です。

患者さんの身体をコンパクトにし、自分の身体に委ねるよう近寄り、正しい位置に車椅子を位置させ、てこの原理を利用したボディメカニクスで安楽に異常出来る知識と技術を求められます。

まとめ

脊椎・脊髄外科では、機能低下により日常生活に支援が無ければ生活できない患者さんが多くいます。そのような患者さんは、未来に失望し、希望を失っている場合が多くあります。

患者さんに最も近い医療職者として、ともに日常生活を行い、その辛さと思いに寄り添い、傾聴姿勢で関わる姿勢が必要です。

未来への不安を感じる患者さんに対して、リハビリを通じて出来るようになったことや今後の期待を沸かせる対話技法で、前向きさを取り戻させる支援が求められます。

障害受傷のショックから受容へと導きだす支援が行えます。また、あらゆる生活支援を行う現場であり、技術的にもアセスメント力的ものスキルアップ可能な現場です。