アレルギー性疾患に悩まされる患者さんを専門的に治療するアレルギー内科ですが、その程度は、人それぞれで、定期的な受診程度で良い患者さんから、入院治療まで必要な方までと重症な患者さんもいます。

また、アレルギーを何とか克服しようと感作療法を目的で、受診や入院される患者さんもいます。

アレルギーとは、自己免疫性疾患ではなく、外からの刺激に身体が反応し、その有害刺激を排除しようと体が反応を起こします。

そのため、アトピー性皮膚炎、アレルギー性胃腸炎、アレルギー性鼻炎、気管支ぜんそく、蕁麻疹などがその診療分野となっています。

アレルギー性疾患を持つ患者さんに中には、皮膚や粘膜が弱く、ボディイメージにコンプレックスを持った患者さんや、その症状に悩まされる患者さんなど、辛く何とかしたい気持ちが強い方ばかりです。

このような患者さんに、看護師が出来ることは何があるでしょうか。アレルギー内科で看護師の出来る患者さんへのケアについて学んでみましょう。

必要な看護技術と知識

アレルギー内科では、正しい診断と、その症状の緩和の為に専門的な検査やそのアレルゲンに慣れる為の治療が行われます。

その分野を追求した専門医で無ければ、時に症状悪化などの危険を要する検査ア治療もある為、診療の補助を行う看護師も、専門知識や技術が必要です。

血液検査

どのようなアレルギーを抱えているかと言う事は、血液検査で判明します。アレルギー内科に狂う患者さんは必ずと言っていほど血液検査を行います。

看護師は、どの項目を検査し、どれくらい検体である血液が必要であるか、どのスピッツに採取するかを知っておかなければなりません。

痛みを伴い採血ですので、手早く一度で採取できる技も必要です。

皮膚反応試験

アレルゲンを疑われる物質を、皮膚の上に塗布し、塗った皮膚の上がどのように変化するかを観察します。

色の変化、皮膚の荒れなどの症状が出れば、底の部分に塗った物質が、その患者さんにとってのアレルギーの原因と考えられます。

看護師は、どこに何も物質を塗布したのか、また、塗る前のその皮膚状態を充分に観察し、前後の反応を正しく判断できるよう計らう必要があります。

当然ですが、もともと皮膚のトラブルや荒れ、異常がある部分には塗布してはいけません。反応が見られた皮膚は、かゆみや痛み、発赤などの苦痛症状を呈する事があります。

反応部分の皮膚のケアと、患者さんのメンタルケアも必要です。

誘発試験

アレルギーの確定診断法です。アレルギーのもとを患者さんの身体に浴びせ、アレルギー反応が出るかどうかを検査します。

気管支喘息の抗原吸引誘発試験や、アレルギー性鼻炎の鼻粘膜誘発試験、食物アレルギーの食べ物摂取による誘発試験等があります。

この検査は、患者さんに強い不安を与えることがあります。

なぜなら、その特定物質が、自分にとって悪影響で、アレルギー反応を引き起こすかもしれないと疑われるからです。症状が出現したり、症状が悪化したりする危険性がある為、患者さんにとっては苦痛な検査となります。

そのため、充分な説明と納得のもと、安全に、何かあった時に即対応できる状態で検査する必要があります。

マニュアルや手順、緊急時の対応方法を熟知し、安全に行えるよう準備するのが看護師の役割です。

適切なアドバイス

アレルゲンが分かれば、その反応を引き起こさない為の生活法や、その反応を最小限に食い止める生活法のアドバイスも行います。

患者さんの中には、インターネットや情報紙などで多くの情報を得ている患者さんもいます。看護師は、その錯綜する情報の中から正しく、実行できる予防法を適切に説明する力を求められます。

また、看護師がその一つ一つのアレルギーに対応した生活習慣や、予防法を知っておかなければ、患者さんが正しい療養をすることができません。

それは、患者さんの安定した生活を脅かすこととなる為、看護師は専門的な幅広い知識を求められます。

まとめ

アレルギー内科にとずれる患者さんは、基本的に自分の事は自分で出来、日常生活支援などは必要としない方が多い現状があります。

そのため、ここに勤務する看護師は、正しい診断と、その結果に基づく療養や生活指導を行う事が主の役割でしょう。

しかし、アレルギー内科の患者さんは、小児から高齢者とその理解力や発達段階は異なる為、その人にとって分かりやすい説明と指導力が必要です。

画一的な指導ではなく、一人一人にあう療養法や説明法を習得しておく必要があるでしょう。