リハビリテーション科は、どこかの機能障害や機能低下をきたした患者さんが訪れる診療科です。

また、急性期疾患の治療が終了した後に、社会復帰を果すための訓練機関として回復期リハビリテーション病棟を立ち上げる医療機関もあります。

これは、国の在宅医療推進の試みから始まった、まだ新しい病棟です。

しかし、この病棟に求められる力や期待は多く、看護師も専門的な知識とアセスメント力、生活支援を通じて多くのケアを経験できる場です。

では、リハビリテーション科における看護師に必要な知識や技術について学んでみましょう。

必要な看護技術・知識

リハビリテーション科には病気的には安定した患者さんが多く、社会復帰に向けた訓練や機能改善を目指し療養しています。

看護師には、患者さんの安全を確保しながら、手出ししすぎない看護ケア技術を求められます。

一人一人の状況に合ったアセスメント技術で、社会に変える自信を取り戻せる支援を行います。

アセスメント技術

その患者さんの残存機能と、これから回復していくであろう予測を行い、正しく療養支援が出来る力を求められます。

自分で出来るようになりたい患者さんの力を邪魔しない、安全が確保できる看護ケアを実践するために、今、何が出来るか、これから何が出来るようになりそうか、また、どのような自助具で自立が果たせるかなどを考える知識が求められます。

また、装具や自助具に関する知識や、自己作成する創作力があれば、患者さんの自分らしいリハビリや社会復帰支援が出来ます。

手伝う事ばかりが看護ではなく、見守り安全性を確保する事も看護であるという認識も必要です。

コミュニケーション技法

リハビリテーション科に入院する患者さんは、回復に対して強い期待があります。

前向きにリハビリを継続できるかは、看護師の言葉や態度に左右されると言っても過言ではありません。

頑張りを認め、回復を感じられるような言葉かけにより、達成感と喜びを感じられるコミュニケーションで患者さんの心を支えられる看護師であることが求められます。

また、上手くいかない、出来るようにならないと感じる患者さんに対し、優しく、寄り添う姿勢で対話し、希望を見いだせる話法も必要です。

リハビリを行う患者さんは、出来なくなってしまったことが出来るようになったと感じられる事で意欲を保ちます。

看護師の言葉一つでモチベーションを高め、リハビリの効果を高められる支援ができるのです。

食事支援技術

人にとって食事を行うと言う事は、満足感や喜びに繋がる生活動作です。

食べられる喜びと、空腹を満たされる事で、リハビリテーションを行う気力や活力に繋がります。

嚥下や接触に生涯を来たした患者さんが、安心して安全に満足いく形で食事がとれるよう食形態の変更を行ったり、患者さんの意向に基づく食事支援を実施出来ることが求められます。

また、四肢の機能障害により食事が難しくなった患者さんには、自助具の使用や補助食器の使用により自分で食べられる工夫が看護師によりなされることも必要です。

よって、食形態、食事のアセスメント力、自助具等の食事方法の選択に関する知識を有しておく必要があります。

まとめ

リハビリテーション科では、出来なくなった事が出来るようになるという希望と期待のある病棟です。疾患による悲嘆状態にある患者さんに一筋の光をともせる魅力的な診療科です。

ですが、ひとたびアセスメントを間違うと、事故や異変に伴う安心できない側面も有しています。そのことを常に意識しつつ看護師としての役割をまっとうしていきたいですね。