腎臓病を抱える患者さんの最後の頼みの綱と言える治療が、腎臓移植です。

腎臓外科では、生命の危機にひんする腎臓病の患者さんを救うために腎臓移植を行い、その危機から救い出す根本治療を行います。

また、人工透析適応患者に対するシャント手術による透析治療開始への支援を行い、透析による血液浄化を図り、生活の質を高められる治療も行います。

そして、腎臓系の腫瘍や血管異常などの外科的治療を行う診療科でもあります。

この科では、腎臓の知識をしっかりと持ち、その治療の専門性と有用性を理解し、その方の生活の質を高めたり、今後の健康や生活への不安を軽減できる看護を必要とされます。

必要な看護技術・知識

腎臓外科では、腎臓移植、腎不全治療、腫瘍や血管病変に対する治療がなされます。

看護師として、腎臓と言う臓器の理解を深め、その治療に関する知識を有し、患者さんのQOL向上の為の、看護技術と患者指導の知識が必要です。

血液透析のシャント管理

腎不全患者に行われる治療として、血液透析があります。

手術により、腕の血管にシャントを形成し、その人口の血管より人工透析を行う事で低下した腎機能を維持します。

シャントは、人工的なのもである為、その管理を怠ればシャント不全や閉塞等のシャントトラブル、治療継続困難となる場合があります。

よって、シャント増設患者の看護知識を有し、その注意点に配慮した看護と、生活指導がなされることが求められます。

シャントの血流や拍動を確かめ、採血や血圧測定等をシャント側で行わないと言う事、重いものをシャント側で持たない、圧迫しないなど看護師として関わる際の注意点を弁え関わることと、患者自身が生活上で注意する点を指導する知識が必要です。

腎臓移植後の異常早期発見に対する知識

腎臓移植後の大きな副作用として、拒絶反応があります。

術直後より発症する急性拒絶反応から、汚職後三カ月以降に起こる慢性鋸浙反応があります。

どの時期に、どのような症状が出現し、その副作用に対して予防策である治療法の知識、もし、重大な副作用が出現した際の対処法を知っておく必要があります。

観察により早期発見、対処が可能である為、充分な学習による知識付けが患者さんの命を救うこととなります。

予防としては、免疫抑制療法が行われることが多く、免疫抑制療法に使用される薬剤の知識やその作用と副作用についての知識、免疫抑制中の看護や生活上の注意点をしておく必要があります。

極限な免疫抑制により、易感染性が高まる患者さんに対する看護師としての関わり方やケアなどの注意点、正しい看護技術を習得しておく必要があります。

患者指導への知識と指導技術

患者さんの正しい療養が今後の治療効果を左右すると言っても過言ではありません。腎臓疾患では、日常生活の注意が大切と言えます。

よって、その知識を充分に教育した後の退院となります。そのために、看護師は指導技術が必要です。

納得いく説明で、その療養法が適切に守られる意識付けを行えるコミュニケーションスキルが必要です。

食事に関しては、低塩分、高たんぱく食などの工夫とカロリーの摂りすぎへの注意を促します。また、禁酒、禁煙の指導、内服薬管理指導を行います。

そして、ステロイド内服や免疫抑制療法中と言う感染予防や休眠や休息、運動や仕事等の生活指導を行います。

前向きに正しく療養できる知識と技術の習得を促せる説明スキルと、技術習得・伝授技術が必要です。

まとめ

腎臓外科では、腎臓に関する外科的療法を持って、患者さんの生活の質を高めます。根本治療が行われても、その後の管理法の適不適により、経過が左右されます。

よって、個別性ある患者さんに対して、押しつけでなく、自分から守ろうと感じられる療養法の指導や教育が行われることが必要です。

命の危機を感じて治療を行う患者さんに対して、優しく思い遣りある対応で精神面をサポートし、退院する頃には時に厳しい目で療養法を指導する姿勢が求められます。

自己管理が重要な診療科と言う特徴から、その人の意向や思い、出来るというウェルネスを高められる指導が求められる看護分野です。