退院支援も退院調整も同じ意味として紹介されていることもしばしばです。しかし厳密に言うと、退院支援と退院調整の意味合いには違いがあります。

退院する患者のサポートを行っていきたいと考えている看護師さんは、両者の違いをしっかり理解した上でどのようなバックアップを行っていくべきかを考えましょう。

退院支援とは

退院支援と言われるものは、退院した後で患者が必要な医療や看護サービスを受けながら、どこで療養をするか、どのような日常生活を送っていくか決めるにあたっての必要な支援を行っていくことをさします。

あくまでも最終的にどのように退院後の生活をしていくかは、患者自身が決めます。看護師は患者からの質問に答えたり、専門家として必要に応じたアドバイスを行ったりはできます。しかし「こうしろ」といった感じで指示を出すことは無理です。

患者が最終決定をするにあたって、自分の置かれている状況をきちんと理解することは大事です。自分の病気、どのような後遺症・障害を抱えているかなどの現状を理解してもらうことが、退院支援看護師のスタートといえます。

退院支援をしっかり行うためには、入院直後から患者やその家族とコンタクトをとることが大事です。たとえば患者が退院した後どのようなことを希望しているのか、また普段自宅でどのような暮らし向きかをヒアリングします。

そのような話を聞く中で、どのような形で自宅に戻すのが理想なのかをイメージしておくことが大事です。またがん末期のような治る見込みのない患者が最期を迎えるにあたって、どのような退院がベストなのか考えることもあります。

退院調整とは

一方、退院調整とは、マネージメント業務であると思うとわかりやすいでしょう。患者の退院後の生活を自己決定するにあたって、環境やヒト、モノを社会保障制度や社会資源につないでいくことが主な役割になります。

具体的な仕事内容ですが、地域の医療機関や介護保険サービスなど、患者が自宅療養するにあたって必要とされるサービスの連携や調整などを行います。

退院調整ですが、勘違いをしている人もいます。それは「病院から患者を追い出すためにそのようなことをしている」という誤解です。

しかし、本当の退院調整の目的は、患者やその家族がより良い選択をして、退院した後でも患者の個性を生かした生活ができるようにサポートすることにあります。病院が患者を追い出すための調整ではないということを頭に入れておきましょう。退院調整ですが、病院と地域の橋渡しの役割を担っているといいます。

退院支援と退院調整の流れ

まず、入院患者の退院を困難にしている要因について考えます。患者の医療依存度や患者の家族の介護力などが要因として考えられます。入院中の患者を対象にして、カンファレンスを開催します。

その中で入院している患者が安心して退院できるような環境を整えていきます。このカンファレンスには看護師の他にも患者本人やその家族、在宅医、訪問看護し、病院の主治医、理学療法士、ケアマネージャーといった人が出て話し合いを行います。

入院しているときには、患者の抱えている病気の治療が最優先となります。しかし退院した後の在宅医療では、その人らしく生きていくための支援が何よりも重要になります。また、がん患者をはじめとして、在宅医療の中には完治を目的とはせずに、症状をいかにコントロールできるかが重視されます。

退院支援や退院調整の業務には上で紹介したように、微妙な違いがあります。

しかし、一貫しているのは、在宅療養に移行するにあたって、患者の希望に沿うように検討を加えることです。そのためには治療をどう行うのか、患者の管理をどのように進めていくかを慎重に検討する必要があります。