腎臓内科に入院する患者さんは、どのようなトラブルを抱えているかご存知ですか?
急性の腎疾患や、慢性の腎臓病、腎臓がんや、糖尿病などの生活習慣病による腎障害、尿路感染症や免疫機能低下による腎炎などが挙げられます。
浮腫や水分代謝異常などを来たし、長期に療養を要する場合も多くあります。
また、人工透析により一生血液循環を機械に委ねなければならない、苦痛ある治療を延々とし続けなければならない患者さんも多く、治療に苦痛を強いられる診療科でもあります。
そして、食事制限や水分制限、活動制限など、「制止」「制限」「セルフケア」を強いる、患者さんの協力なしでは円滑で効果的な治療が果たせないという特徴ある現場でもあります。
では、腎臓内科での看護師に必要な知識や技術について学んでみましょう。
必要な看護技術と知識
腎臓内科で最も重要と考えられる観察項目は、水分出納バランスや日常生活方法ではないでしょうか。
どのような生活をして、どのような栄養を摂取し、排尿や排泄にトラブルはないか、その随伴症状が身体的に起こっていないか知ることから始まりいます。
水分出納バランスと生活状況のアセスメント
腎臓疾患を抱える患者さんは、その負担を考慮し、水分制限や食事制限がなされます。
どれくらい飲んだり食べたりして、どれくらい排泄されているかを知り、出来る限りIN-OUTバランスに傾きが無いよう管理していく必要があります。
また、随伴症状として、四肢のむくみや、胸水による呼吸困難症状、腹水による腹部膨満など、他覚的、自覚的に異常が無いか観察する必要があります。
そのバランスによっては、医師の指示により利尿剤の使用や、水分制限の強化、緩和などが成される事があります
状況変化により、治療変更や状態報告を行うことを理解し、正しく情報収集出来ることが看護師に求められます。
生活指導
腎疾患を有する患者さんは、長期にわたる自己管理が必要です。
また、中高年の働く人々が治療対象者となる事が多く、日常生活や仕事と両立した治療を余儀なくされる事があります。
よって、その方の生活背景に合う生活指導を行う必要があります。
食事療法や、休息と活動のバランス、服薬や健康管理法など、自分の事を自分で管理し、現状維持、健康状態安定がなされるよう教育と指導が必要です。
また、状態が安定している患者さんは、ついつい健康管理を怠ったり、内服を忘れたり、受診を忘れることがあります。
そうならないように、自己管理への認識を充分に強め、症状の悪化が無いよう管理していく事をサポートします。
コミュニケーションスキルと信頼関係の構築
長期の療養が余儀なくされる患者さんとは、信頼関係の構築が必要です。
よって、患者さんの声を聞き、反応できる看護師、また、悩みを聞き、その悩みを解消できるよう知識を伝授できる事も必要です。
腎臓内科の患者さんは、正しく対応し、信頼できる情報を与えてくれる看護師を必要としています。
透析看護の実態
腹膜透析では、日常生活の中自分で透析操作を行う教育指導が必要です。
また、血液透析では、苦痛を軽減した穿刺で、正しく機械を操作し、安全に透析が完了できる知識と技術を要します。
苦痛を伴う透析療法を行う患者さんは、自分の身の変化にとても敏感です。
よって、自信を持って凛とした態度で透析操作を実施したり、自己管理法を教育できる事により患者さんを安心させられることが腎臓内科に努める看護師には必要です。
まとめ
長期療養により、治療に嫌気がさす患者さんもいます。
そのような方の心の拠り所になれる思いやりある看護が求められる現場です。
また、自己管理が重要とされている腎臓疾患を有する患者さんは、インターネットや情報紙、テレビの情報等により健康管理や病気に対して多くの情報を有しています。
その内容が正しいものか、そうでないものかは別として、その内容を頼りに誠意かつされている方もいます。
正しく療養し、情愛の安定化を図れる教育指導が求められる現場でもあります。
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