日本人の死因第4位となる脳血管障害を診療するのが、脳神経外科です。

脳出血、脳梗塞、脳腫瘍、クモ膜下出血や硬膜下血腫などを発症した患者さんが治療対象となります。

高齢者が多いのが特徴ですが、時に、就学中の低年齢や中高年の働き盛りの患者さんも訪れる事があります。

急性期では、命の危機にも瀕し、命を取り留めても後遺症や障害により機能低下を来たす場合が多くあります。

そのような患者さんの機能回復やリハビリテーションにかかわる事もあり、急性期から回復期、療養までの幅広い知識や、社会復帰に向けた必要支援についての知識も要する奥深い診療分野です。

では、脳神経外科で必要な看護技術や看護知識について理解しましょう。

必要な看護技術・知識

脳神経外科では、救急搬送され緊急手術に対応できる高度で専門的な看護技術と、手術後の正しい管理による早期離床やリハビリテーション、社会復帰に向けた全人的関わりが必要と言えます。

看護師として、その方の全身の健康管理、日常生活支援、メンタルケア、リハビリテーション支援、在宅の環境調整や退院後の生活指導などが必要です。

一度治癒しても、再発の危険性が高く、再発をすると後遺症や障害程度、命の危機にまで発展しうる疾患である為、患者さんとその支援者を含めた支援を要する分野です。

意識レベルの観察と神経症状の観察

意識レベルは、ジャパン・コーマ・スケールやグラスゴー・コーマ・スケール等が用いられ、特に急性期ではジャパン・コーマ・スケールが用いられます。

患者さんの意識状態を正しく判断し、それと併せて、瞳孔や四肢の脱力やしびれ、運動場業や顔面や皮膚感覚異常などの観察により、どの部分が障害されているかは尾の判断材料とする場合があります。

また、急変を来たしやすい疾患が多い為、前後の観察項目が異常早期発見に繋がる事がある為、どの部位が障害されればどこに異常が生じるなどと関連付けた知識を持ち合わせておく必要があります。

血圧コントロール

脳血管障害や脳動脈瘤、脳腫瘍などは、血圧コントロールが重要となります。

血圧コントロールとは、ただ単に血圧を低くすればよいというわけではありません。

脳出血であれば○○㎜Hg以下、脳梗塞であれば、○○㎜Hg以上○○㎜Hg以下、脳腫瘍や脳動脈瘤などにおいても医師の指示により血圧の上限や下限が決められる事があります。

この指示範囲を護る為に、看護師は、医師の指示される薬剤を用い血圧管理を行います。

その薬剤の効果と、血圧の推移を観察し、疾患を悪化させない看護技術を求められます。

また、血圧は常に推移しており、自分の行う看護ケアや医療処置が血圧変動の要因となる事もあります。

よって、一つ一つ無理なく安楽なケアを行う技術もひるようです。

T-PA療法の看護

脳梗塞患者に持ちられる緊急性高い、血栓溶解治療です。

発症三時間以内の投与が必要で、その三時間を越えると利用はできません。

よって、早期発見、早期診断が必要となり、その前後の時間背景を知る必要があります。

強い作用により、血管破綻や脳出血などのリスク高い治療である為、看護師の三冊力と異常早期発見に対する認識、異常時の対処法をマニュアル等で熟知しておく必要があります。

T-PA療法についての専門的知識と、その治療中、治療後の看護の注意点について理解が必要です。

まとめ

脳神経外科では、緊急性高い命に瀕する患者さんが多く搬入される診療科です。

また、その治療が終了しても、健康管理やリハビリテーションなど、患者さんはずっと療養、治療を継続しなければなりません。

周手術期や急性期における状態管理と異常早期発見や対処に関する医療知識は必要ですが、生涯を有する患者さんの日常生活が安全であるよう配慮できる看護技術や危険予知知識も重要です。

また、急な病気に不安を抱える本陣と家族の精神的支えとなり、少しでも機能回復が果たせるように前向きな療養を支えられる存在である事も看護師に必要な能力です。