ハードな実習や、国家試験をくぐり抜け、晴れて看護師になった新人看護師の皆さん。

医療の現場で活躍する自分を想像しながら、不安と期待が入り交じり、わくわくドキドキしていたのではないでしょうか。就職先も見つかり、配属先が決まり、いざ現場へ!

…しかし、やっと看護師としてデビューしてみると、新しい業務を次から次へと覚えなくてはいけないことや、連日続く勤務を乗り切ることなどより、もっと辛いことが待っていたなんてことはありませんか?

そうです、それは「先輩からのいじめ」です。

看護師の世界はまるで大奥!?

早く一人前の看護師として独り立ちできるように仕事を頑張りたいのに、いじめによるストレスで、毎日現場にいくことすら辛くなってしまうという声をよく耳にします。

この陰湿ないじめが発生する背景には、以下のような理由が考えられます。

女性社会

看護師は圧倒的に女性の占める割合の多い職業です。それゆえ、あの女子特有の陰湿ないじめが発生しやすい環境といえます。

現代版「大奥」のような世界といっても言い過ぎではないと思います。陰口を言いながら、仲間外れをやたらと作りたがる女性っていますよね。

また、先輩たちもかつて、同じように新人として現場に飛び込んだ際に、上司からいじめを受けた経験から、後輩に同じように接する人も多いと思います。

特に申し送りの際など、必要以上に責め立ててくる先輩はいませんか?

高ストレス

これは部署によっても差があることですが、業務が多すぎて残業ばかりであったり、急変が起きやすかったり、クレームをつける患者さんに対応が必要など、看護師さんは常に高いストレスにさらされています。

それにより、苛立ちや重圧から感情の制御ができなくなった人が、新人看護師さんなどの弱い立場のあなたを攻撃してしまうことが考えられます。

先輩看護師からのいじめ”あるある”

具体的にはどのようないじめが起きているのでしょうか。

私が同僚から聞いた話や、実際に経験したり、目にしたりしたことをご紹介します。

師長、主任からのいじめ

  • 「今年の新人の中で、あなたは一番バカだ」など否定される言葉を浴びせられる
  • 挨拶をしても無視される
  • 「ぶーちゃん」など見た目に関するあだ名で呼ばれる
  • 他の新人看護師は休み希望が通っているのに、自分ばかり、きついシフトになっている

プリセプターからのいじめ

  • 常に高圧的な態度を取られ、同僚に「あの子態度がむかつく」など自分の悪口を言う
  • 「あなたのせいで仕事が終わらない」といつも嫌味を言われる
  • 帰宅後に勉強するように、徹夜する量の課題を与えられる
  • 申し送りの際に、とことん質問攻めにあい、泣くまで責められる

(番外編)その他のいじめ

実は先輩に限らず、新人看護師さんの同期や、他の職種からのいじめなどもよく耳にします。

  • 同期3人が仲良くし、自分だけ仲間外れにされる
  • 医師から高圧的な態度で責められ、報告できない
  • 薬剤師に質問しても、自分だけ教えてもらえない

先輩からのいじめを回避・解決するためにはどうすればいいのか

実際に、今いじめに耐えているあなたは、きっと「こんなはずじゃなかった!」「もっと楽しい現場を想像していた!」「何で自分だけ?」と思い悩んでいることでしょう。

それでは、いじめを回避するにはどんな解決策があるか、考えてみましょう。

相手が先輩でも勇気を持って抗議する

いじめをしている人に抗議することは大変勇気のいることです。そもそも、それが出来れば、辛いと悩むこともないのかもしれません。

しかし、たとえその勇気がなくても、「いじめはあってはいけないこと」と、断固主張する姿勢はとても重要です。一対一で伝えることに不安があるのであれば、信頼できる人と一緒に伝えることも有効です。

実際に、私は自分のプリセプティーが、他の先輩からいじめにあっていた際に、この方法を取りました。

プリセプティーは、私が出勤していない日に他の先輩から無視されるなどのいじめに合うと相談してきました。

その子は、自己主張が苦手なタイプで、思ったことを口にできないことから、誤解を招きやすい性格でした。

そこで私は、その子を連れて、いじめをしている先輩に説明しました。それ以降、いじめはなくなり、プリセプティーは元気に仕事をしています。

誰かに相談する

同期に相談

同じ環境で働く同期は、もっとも近い存在でしょう。単純に愚痴を言い合い、共感してもらえるだけで心が軽くなるものです。その活力をもらって、次のステップを考えるのもいいかもしれません。

もっと上の上司に相談

主任や師長は部署全体を把握する役割ですが、現場のいじめまでは目を配れないことも多いです。現状を伝えることで、解決策を見出してくれる強い味方になるかもしれません。

しかし、ここで一つ注意が必要なのは、部署を飛び越えて直接看護部長などに相談に行くことは控えましょう。

部署内の問題は、まず直属の上司に相談することが礼儀でもあります。

配属先の異動願いを出す

入職後すぐの段階では難しいかもしれませんが、病院内で良い噂の部署に行くことも可能です。

たまたま、今いる部署がいじめが起きやすい部署だっただけかもしれません。

思い切って他の職場に転職する

今の状況の中で何とかしようと考えていると、「転職する」という選択肢は出てこないかもしれませんが、世の中に看護師さんを必要としている職場はたくさんあります。

何も、辛いその職場に無理してしがみつく必要はありません。

辛くて、気持ちが内向きになる時こそ、視点を変えることが突破口になったりするものです。

実際に転職するかしないかはさておき、どんな転職先があるか検索して実態を知るだけでも、「あぁ、自分には他の道だってあるんだ」と、心に余裕を持つこともできます。

最後に…これだけは忘れないで!

「あなたは夢や希望を持って看護師になったこと」、「職場の環境のために苦しむ必要はないこと」、「世の中には違う世界がたくさんあること」。

せっかく苦労してなった看護師という夢を、いじめのために台無しにすることはありません。

あなたは、夢への第一歩を踏み出したばかりです!

今は辛いかもしれませんが、大丈夫、きっと自分を誇れる未来が待っています。

明るく楽しく働けることを応援していますので、負けないで!