4月に看護師として入職した際は、誰が見てもまぶしく初々しかった新人看護師さん。
私も入職式の前日は、「いよいよ憧れの看護師として、第一歩を踏み出すんだ!」と希望に満ち溢れていました!
でも、その数か月後にはインシデントを連発するようになってしまい、「もう看護師なんてやめてしまいたい。早く楽になりたい」と毎日泣きながら帰宅していました。
ヒヤリハットを連発してしまうと、精神的にもとても落ち込んでしまいますよね。
しかしあの日々から10年以上たった今、私は看護師という仕事が大好きです!
今回は、私の新人時代と同様に、インシデントを連発してしまうことで辞めたい気持ちになってしまっている新人看護師さんに、私なりのアドバイスをしたいと思います。
新人看護師さんが、インシデントを連発する理由
新人看護師さんは経験を重ねた先輩看護師に比べ、インシデントを連発しやすい傾向にあります。
みんな人間ですから、時にはミスを起こします。でも、なぜか新人看護師さんは突出して、インシデントを連発しやすいんです。
なぜ、新人看護師さんはよりインシデントを連発してしまうのでしょうか?
まずはその理由から、考えてみましょう。
手順を十分に理解していない
新人看護師さんは、独り立ちを目指して、日々新しいことを覚えなくてはいけません。
予習復習をしっかり行い、看護師が行う業務一つひとつについて手順を十分理解していることが理想ですし、先輩から「予習してきてね!」と言われることは多いと思います。
でも、実際には日々の勤務によって疲労が蓄積してしまうため、なかなか思うように勉強ができません。
私も新人時代は「予習しなきゃ!」と気持ちばかりが焦ってしまい、帰宅後も参考書を広げるのですが、気が付くとよく机に突っ伏して寝てしまってました。
予習を満足に行えないので、自分の中で十分に手順を理解できていません。
そのため、処置を行う際に、手順を具体的にイメージできないまま行ってしまい、インシデントを起こしてしまうんです。
先輩の前で緊張してしまう
新人看護師さんが医療処置などを行う際、先輩から独り立ちの許可をもらえるまで、先輩がつきっきりで指導を行う、あるいは見守りを行います。
優しい先輩や、普段からよく話す先輩がその役目を負っているのなら、その前後に世間話などもできて、少しは緊張も和らぎます。
また、信頼できる先輩が見守ってくれているという安心から、手技もスムーズに行えることが多くなります。
しかし、中には怖い先輩や、自分の苦手とする先輩が指導や見守りを行う場合もあります。
そういった時、いつも以上に緊張してしまうため、自分でも想像のつかないようなインシデントを起こしてしまいやすくなります。
私も特定の先輩が見守り役でつくと、高確率でなんらかのインシデントを起こしてしまい、さらにその先輩から嫌味を言われやすくなるという悪循環に陥っていました。
見守り役がその先輩だと分かるだけで、もうすでに緊張してしまうんですよね…。
時間配分を誤ってしまう
看護師の仕事において、時間配分は重要な要素です。
しかし、新人看護師さんはまだ経験が浅いため、仕事中での時間配分がうまくできません。
特に先輩の指導や見守りが必要な処置を行う場合、自分の都合に加えて先輩の都合も合わせなくてはなりません。
そのため、先輩の都合が合わないことで自分の都合も押してしまい、「早くやらなくちゃ」と焦ってしまうことで、インシデントを起こしやすくなってしまいます。
インシデントを起こしやすくなる原因の一つとして、「焦ってしまう」ことがあげられます。
新人看護師さんは時間に追われ、より「焦りやすく」なってしまうことで、よりインシデントを連発しやすくなってしまうんです。
新たなインシデントを防ぐために、新人看護師さんへ伝えたいこと
新人看護師さんがインシデントを連発してしまうと、「またインシデントを起こしちゃった。私って看護師に向いていないのかな」と精神的にもめげてしまいがちですよね。
では、新人時代にインシデントを連発していた私がなぜ、今は看護師という仕事が大好きなのでしょうか?
その理由を、ご紹介します!
インシデント=重大な事故を防げた、とプラスに考える
インシデントレポートを泣きながら作成していた私の元に、当時の職場でとても優しく接してくださっていた先輩が、声をかけてくれました。
「良かったね、インシデントで終わって」
予想外の言葉に目が点となる私に、先輩は続けて、
「だって、このインシデントを起こしたからこそ、あなたは次から注意できるでしょ?重大な事故を起こす前に、インシデントで終われたんだもん。よかったって思わないと」
それ以降、私はインシデントを起こしてしまった際、自分を過度に責めるのではなく、「このミスで済んでよかった」と、自分を守る言葉も自分自身にかけるようにしました。
インシデントを起こした時、ぜひ皆さんもまずは一度、「このミスで済んでよかった」と自分に声をかけてみてください。
たったそれだけで、自分の気持ちが少し軽くなるはずです!
ミスそのものではなく、なぜミスしたかを振り返る
インシデントを連発していた時、私はいつも「なんでこんなミスを起こしてしまったんだろう」と考えてしまっていました。
しかし、それではただ自分を責めるだけで終わってしまうんです。
自分をいくら責めても、ミスがなくなるわけではないし、第一自分が落ち込んでしまうだけ。
そこでインシデントを起こしてしまった際に、私は「なぜミスを起こしてしまったのか」という原因にフォーカスを当てて考えるようになりました。
そして、私は一つの結論に達しました。
私の場合、「自分の居場所を感じられず、常に緊張状態でいるから、ミスを起こしやすい」ということだったんです。
みなさんも、まずは原因に注目して振り返ってみましょう。
診療科や職場の雰囲気が合っていない場合は転職も検討しよう!
私なりに努力し、インシデントを連発してしまうようなことはなくなりましたが、それでも心の負担は解消されませんでした。
それは、先輩たちが作り出す雰囲気に、自分が合わなかったからです。
先輩たちの多くは、私が新人の頃まだ珍しかった、看護系大学卒業者がほとんどを占めていました。
その結果、看護短大出身である私を「卒論も書いていないくせに」と下げずむような発言をする先輩が多く、自分自身を「私は短大卒だから」と低く評価してしまう癖がついてしまっていたのです。
そこで考え付いたのが、「もっと自分らしく働ける職場に転職すること」でした。
卒後一年で転職した結果、私は看護師としてのやりがいや、看護の楽しさを感じることができ、今でも看護師という職業が大好きです。
看護師そのものを辞めることはいつでもできます。
でもその前に、一度転職をして、周囲の環境を変えてみませんか?
転職することで、私みたいに看護の楽しさややりがいを、見つけられるかもしれませんよ!
早めの行動が◎
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