新人看護師として病院や医療施設で勤務するようになると、毎日多くの疾患の患者さんとかかわり、処置やケアをしながら薬剤を管理します。学生時代にも受け持ち患者さんを通して看護を展開したと思います。

しかし、学生時代とは異なり、毎日たくさんの患者さんとかかわる必要があるため、毎日のように分からないことがたくさん出てくるのではないでしょうか。

分からないことがあれば、その日のうちに自分で調べ、理解していく必要があります。

しかし、新人看護師の皆さんの中には、「わからないことだらけで何から手を付けたらいいかわからない」と感じている方も多いのではないでしょうか。場合によっては、パニックのような状態になってしまうこともあるでしょう。

「わからないことだらけで何から手を付けたらいいかわからない」という状況にあった場合、どうすればいいのか紹介します。

何から手を付ければいい?

新人看護師のころは、わからないことが多くて当然です。しかし、わからなことをそのままにしておくと新たな知識や技術を習得できません。

では、何から手を付けていけばいいのか見ていきましょう。

まずは先輩に出された宿題から

皆さんは先輩看護師から「○○について調べてきて」など、宿題を出されたことはありませんか?仕事中に新たに学んだことや、勤務している部署でよく行われる処置の根拠など、様々なことを「宿題」として出されることがあるでしょう。

何から手を付けていいかわからないときは、まずは先輩から出された宿題からするようにしましょう。

宿題を後回しにして次の出勤までに行わなかった場合、「なんで調べてこなかったの?」と先輩から指摘されます。すると、あなたも先輩も嫌な思いをしますし、指摘を受けると看護師としての自分に自信がなくなってしまうでしょう。

ほかのことは後回しにしても、まずは先輩に出された宿題からするようにしてくださいね。先輩に「○○調べてきた?」と聞かれる前に、自分から先輩に声をかけ、調べた内容を報告するようにしましょう。

宿題の内容が難しく、調べても答えがわからないことがあると思います。その時は、「ここまでは分かりましたが、ほかは分かりませんでした。教えてください」と自ら言うようにしましょう。

次はその日に疑問に思ったこと

新人看護師は毎日多くのことを学びますので、疑問に思ったことも毎日のように出てきますよね。

先輩からの宿題を終えたら、次は「その日に疑問に思ったこと」を調べるようにしましょう。その日に疑問に思ったことを調べることで、確実に自分の知識や技術になります。

中には、「毎日疑問に思うことだらけで、家に帰ったら疑問に思ったことを忘れてしまう」という方もいるでしょう。そのような経験のある方は、疑問に思ったことをその場でメモするようにしてください。

私も家に帰ると、「何を調べようと思っていたっけ?」と思うことが度々ありました。しかし、常にメモを持ち歩き、疑問に思ったことがあればすぐにメモをすることで、疑問に思ったことを確実に家で調べることができるようになりましたよ。

毎日続けることで、習慣化することができるでしょう。習慣化すると、その日のうちに調べることに苦痛に感じなくなりますよ。

先輩に相談する

どうしてもわからない場合は、先輩看護師に相談してみましょう。先輩看護師に相談すると、何からすればいいか、どのようなことに気を付ければいいかなど、アドバイスをもらうことができます。

また、相談をすることで、現在のあなたの状況を先輩看護師に理解してもらうこともできます。あなたの状況を理解してもらえれば、常に気にかけてもらうことができますし、必要な時はフォローをしてもらえるでしょう。

パニックにならないために

何から手を付けていいかわからないとき、場合によってはパニックのようになってしまいますよね。普段から次のことに気を付けてみてはいかがでしょうか。

次の日に担当する患者さんのチェックをしておく

病院で勤務をしている場合、事前に次の日に自分が担当する患者さんがあらかじめ誰か決まっていると思います。仕事を終えて帰宅する前に、次に自分が担当する患者さんの情報収集を簡単にしてみてはいかがでしょうか。

すべてを情報収集する必要はありません。ポイントは、「自分が未経験の処置やケア」と「患者さんが服用している薬」です。

これらをあらかじめ調べておくと、次の勤務開始前に疑問に感じることが多すぎてパニックになることを防ぐことができます。また、事前に調べておくことで、自信をもって患者さんに看護を提供することにもつながります。

自分が次に担当する患者さんが前日にわかるという場合もあると思います。しかし、その日が休みというという場合もありますよね。

自分が出勤の前日に休みという場合は、出勤している同期に「明日自分が担当する患者さんに実施する処置を教えてほしい」など、聞くようにしましょう。患者さんの個人情報のやり取りは避けてくださいね。

調べたことを整理する

毎日多くのことを調べることで、知識や技術はどんどん増えていきます。しかし、仕事中に「あれ?なんだっけ?」とど忘れしてしまうこともありますよね。

調べたことは自分でノートにまとめ、情報を整理するようにしてはいかがでしょうか。書くことで知識として定着しますし、忘れたときはいつでも振り返ることができるため、調べなおす手間も省けます。

私は調べたことを整理するのに、ルーズリーフを利用していました。ルーズリーフだと必要な部分だえ持ち運ぶことができます。また、50音順に並べ替えることができるため、非常に調べやすいですよ。

自分の知識だけでなく、先輩看護師から指導を受けたことや自分で気が付いた点などを書き込むと、さらにうまく活用することができますよ。

こんな場合は転職を検討しては?

あなたが何をすればいいかわからない状況となり先輩看護師に相談した際、フォローもアドバイスも何もなく、冷たい対応をされる場合もあるかも知れません。また、看護師の人数が少なく、新人看護師をフォローすることすらできない状況の職場で勤務をしている方もいるのではないでしょうか。

先輩看護師にフォローやアドバイスをしてもらえない環境で勤務をしている方は、新人看護師に対してのフォロー体制が整った病院へ転職をしてみてはいかがでしょうか。しっかりフォロー体制の整った病院で教育を受けた方が、看護師の仕事に対して前向きになることができますよ。

最後に

新人看護師のときは、わからないことが多くて当然です。疑問に思ったことを解決しながら、少しずつ知識や技術を身に着けていくようにしましょう。

分からないことが多すぎてパニックにならないために、事前学習や自分の知識を怠らないようにしてくださいね。