市役所保健師の求人動向
採用枠
市役所から保健師求人が出回るのは、基本的に春先の地方公務員採用試験の内容発表の際となっています。ただし、市役所は採用枠が少なく、離職率が低くて欠員が出づらいと言った事情から、実際には求人が出る年の方が珍しい状況にあるのも事実です。
応募方法
市役所の採用試験の受験資格の中で、保健師枠の募集があれば、応募期間中の約1か月間の間に必要書類を市役所の採用係まで郵送するか、市役所の公式ホームページにアクセスし、インターネット申し込みを行うかで応募できます。
採用試験
一般教養と専門知識が必要な試験の両方を合格点以上取得し、小論文や面接に合格すると晴れて採用されます。
情報収集
これらの募集時期や採用試験の日程は、各自治体ごとにばらばらに行われているために、その自治体に住んでいないと積極的に情報を集めにくいのが難点です。また、毎年出る採用試験の情報を収集しておかないと、せっかく採用試験が実施されているのに気が付かず、希望の市役所に入れる機会を失います。
加えて、採用試験の内容にもばらつきがあり、共通するのは一般教養と専門試験くらいのもので、毎年1回しか実施されないのも共通点です。できるだけまめに情報収集しておくのがポイントとなります。
東京都の区役所保健師の求人
ただし例外として東京都特別区の区役所だけは、東京都の方で一括して募集、採用を行っています。よって東京都から発表される情報の確認、東京都の公式ホームページのチェックだけで済みます。
難易度は自治体ごとに異なり、政令指定都市や中核市などは難易度が高い傾向にあります。その中で最も難易度が高く採用率が低いのが東京都内の特別区です。
他の自治体は人口が多く求められる知識が多岐に渡り、一般の公務員採用試験の内容に加えて専門知識が求められるのが特徴です。その分倍率が高くなりがちで、公務員採用試験の中でも難易度が上がってしまい、合格が難しい状態にあります。
市役所保健師の仕事内容
現在保健師の資格を取得した人のうち、保健師として働いている人の約7割ほどが行政保健師として働いています。残りは学校や企業などに就職しています。
行政機関に就職した人のうち大半が保健所、もしくは保健センター、残りが市役所と言った配分です。この中でも、市役所保健師の仕事というのは、その自治体における地域の保健活動全般に携わることです。
- 病気の予防(特定健診、がん検診、予防接種など)
- 母子の健康管理
- 一般成人、高齢者、障害者の健康相談
母子の健康管理
市役所で働く保健師の役割の中にある「母子の健康管理」では、例えば、妊娠が分かってすぐにお世話になる母子手帳の交付、出産後は乳幼児健康診査などがあります。
妊娠中であれば、母親教室、父親となる人にとっては母親よりも実感が得にくいことから、夫婦そろって参加し、親としての自覚を促す両親学級の実施をしたり、生まれたお子さんが低体重児だった場合には、訪問して健康状態を確認したり、親御さんから育児の方針について相談を受け付けたりします。
低体重以外にも先天性障害などがある場合は療育が必要となり、やはり相談を受けることが仕事になります。こうした療育ケースとなりそうなお子さんへのフォロー教室を市で実施するために、企画立案を任されることがあります。
また、虐待が疑われる報告があった場合、児童相談所と連携を取って対応に当たります。
住民の健康相談
特に問題なく成人した住民に対しては、生活習慣病予防に関する健康相談などがあります。講座を企画、実施すること、実際に生活習慣病の心配がある人からの健康相談を受ける場を設けて、病気の予防に当たるというものです。
介護福祉に関する業務
高齢者の多い自治体の市役所であれば、介護や福祉といった問題も出てきます。介護を行う家族からの負担の相談、介護施設やサービスを紹介することで負担を減らし、高齢者と家族の関係を改善することも仕事になります。
そのため、実際に介護をする施設を紹介するために、日頃から関係ある施設や保健所、保健センターなどの連絡業務を行い、実際に紹介する時に支障がないようにする必要があります。
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