■20代女性

大学在学中から地域医療に興味を持っていました。実地研修の際に在宅ケアの格差を感じ、行政面から看護や医療について考えるようになりました。そして、市町村の枠組みを超えたネットワークづくりを保健師の立場から行いたいと思い保健師の道を選びました。

保健師は大きく分けて3つあり、私はその中の行政保健師と呼ばれる保健師です。行政保健師は公務員なので、保健師採用試験と同時に公務員試験を受ける必要があります。保健師は看護師と違い離職率が低いため採用者数が少なく、新卒での採用もありますが、活躍されている保健師の多数は30代の方々というのが現状です。

私は、保健師2名体制で精神障害や難病の方の相談、感染症発生時の対応などを担当しています。地域の方々と一体になって自主活動も行っており、要望の高いAAAなどのアルコール依存者のミーティングや、精神デイケアなどにも取り組んでいます。未経験のまま入職したので不安もたくさんありましたが、職場の雰囲気もよく専門職の方も多数おられ多職種の仕事を身近に感じることができる環境で日々刺激を受けています。

早く先輩方のようにその場に合った柔軟な対応ができる保健師になりたいと思っています。


■30代女性

私は保健福祉事務所保健課に所属しており、現在は主に母子保健を担当しています。主な仕事は養育医療などの医療費の助成事業の窓口での申請対応業務や、乳幼児の発達相談、療育相談のほか低出生体重児への家庭訪問などです。必要があれば市町村職員や医師、看護師などと連携を図りながら地域で生活している住民の方々への支援を行います。

働き始めて様々な申請事務などの事務仕事が多いことを知りましたが、行政保健師にとってはこれらの事務作業も非常に大切な業務の一つです。保健指導などを行っていると、「ありがとう」や「安心しました」といった言葉をかけてもらった時はこの仕事についてよかったと心から思います。

保健師にとっては、よくある事と思っても初めて子育てをする母親にとっては不安なことがたくさんです。その不安を少しでも軽くしてあげられるような寄り添った保健師になれればと思っています。


■40代女性

私は大学病院勤務を経て、現在行政保健師として働いています。保健所での仕事はさまざまで、乳幼児訪問を行ったり自宅介護を行っている家庭を訪問したり集団検診を行ったりしています。

妊娠出産中には、産前産後休暇、育児休暇を頂き子育てと両立しながら働いています。病院と違い個人で進めていく仕事も多いので休暇の調整も取りやすく助かっています。勤務時間もはっきりとしているのが特徴です。病院は病気やけがの治療を行うところですが、この仕事は地域密着型で住民一人一人と向き合ってコミュニケーションが取れるのが魅力です。

今後は今以上に地域医療と住民の架け橋になれるように働きかけていきたいと考えています。


■50代女性

私は、保健所保健対策課に勤務しており課長補佐をしています。主な仕事は保健所において保健サービスや企画調整、保健師の人材育成に取り組んでいます。

保健師というと、看護師に比べるとあまり馴染みがなく保健所での育児相談や高齢者への家庭訪問などと思われがちですが、以前は保健センターで予防接種や検診、救急医療などに携わっていました。

今の仕事は直接的に住民の方々と接して仕事をすることは少なくなっていますが、市町村や医療機関、福祉や教育関係など幅広い方々と共に様々な課題に取り組んでいくことができています。知識を身に付ける行政系の研修やスキルアップを目指す研修など様々な事業を通して保健師が一人で活動できるようになるまで相談や指導を行い、これからを担う保健師を一人でも多く育てていくことが今の私の目標です。