緩和ケア(ホスピス)の看護師になると身につくスキル

コミュニケーション能力、気持ちを感じ取る力

緩和ケア病棟は一般病棟と違い、一人の患者さんと向き合う時間が非常に多くなり、ターミナル期を迎えた患者さんに対しては精神面のケアが重要になります。患者さんとの意思疎通を図るためコミュニケーションを密にとり、患者さんだけでなく患者さんの家族に対しても精神的、心理的にサポートを行います。

患者さんへの接し方、家族が不安に感じていること、時には患者さんを支える家族が辛くなり精神的に参ってしまうこともあるため、家族にも寄り添いながら話を聞き、一緒に患者さんを支えていくことが大切です。

鎮痛剤・麻薬などの薬剤に関する深い知識

がんは痛みを伴います。緩和ケアは病気を治すことが目的ではなく、患者さんの苦痛を少しでも軽減し、残りの人生を少しでも快適に過ごせるようなQOLの向上が目的です。痛みをどのように軽減するか、モルヒネなどの薬を使用した後の体調と心の変化、副作用などの症状などトータルペインに対する看護能力が磨かれます。

また、人によって痛みの感じ方は違いますが、多くのがん患者さんと接することで痛みに応じたケアや処置ができるようになり、またそれを予想することができるようにもなってきます。

フィジカルアセスメント能力

検査や処置は必要最低限行われますが、メインは患者さんと対話をし様子を見ながら行われるフィジカルアセスメントです。

打診、聴診、触診などで患者さんの健康状態を診るフィジカルアセスメント能力が身に付きます。ターミナル期の患者さんばかりですので、看護師自身も辛く、精神的に負担になる部分もありますが、徐々に慣れていき、精神的に強くなるということも言われています。

緩和ケア(ホスピス)看護師の関連資格(スキルアップ資格)

  • 緩和ケア認定看護師
  • 家族支援専門看護師
  • 2008年に認定された家族支援専門看護師はまだ新しい分野で、家族看護、家族のセルフケア能力を高める支援を行います。

  • 薬剤師
  • モルヒネなどの痛みを緩和するために使用する薬について、患者さんをサポートするのに役立ちます。

食事面から患者さんにアプローチ

精神面を支える

  • 心理カウンセラー
  • メンタルヘルスカウンセラー
  • ストレスケアサウンセラー
  • 臨床心理士
  • 心の病気に対するカウンセリングができる資格も有効です。

リハビリテーション専門職

上記のような資格があれば、より患者さんと接することができ、コミュニケーションも取りやすくなるでしょう。

リラクゼーション

アロマのリラクゼーションは医療現場でも注目されており、患者さんにリラックスして快適な日々を過ごしてもらいQOLの質を高めることに有効な知識です。

介護関連の資格

その他の資格

  • 整体師、針灸士
  • 音楽療法士
  • カイロプラクター
  • グリーフケアアドバイザー
  • 遺体感染管理士認定資格
  • エンゼルメイクや死後処置の看護技術や手技、感染予防に配慮したケア、病院を出られた後の公衆衛生を守る役割等に非常に役だちます。