退職時の返却物

病院の体制によって多少異なりますが、おおよそ6つの返却物があります。

健康保険被保険者証

どの職場に勤務している看護師でも、すべての人に共通する返却物です。

退職して別の職場へ転職する場合にしろ、退職して家族の扶養に入る場合にしろ、必ず返却して現在の健康保険から脱退するという手続きが必要です。

転職する場合は、新たに転職先の健康保険へ加入し、改めて健康保険被保険者証を受け取ることになります。家族の扶養に入る場合は、別の健康保険へ加入しますからやはり新しい健康保険被保険者証を受け取る必要があります。

健康保険被保険者証を2つ持つことはできませんから、退職時に忘れずに病院へ返却しましょう。もし返却し忘れると、郵送など手間のかかる返却方法を取ることになります。

身分証

病院ごとに発行されるIDカード、職員証、職員バッチ、名刺などが該当します。これら全て退職すれば不要になり、退職することで持つ義務も権利もなくなりますから、忘れずに返却しましょう。

制服・白衣

ほとんどの病院では看護師に対して制服を貸与しています。白衣や上に着るカーディガン、ナースシューズなどの靴を含めて大抵の場合借りている状態です。

大学病院など院内でクリーニングをしてくれるところもありますが、そうでない場合にはマナーとして、制服は洗濯するかクリーニングに出してから返却しましょう。

ただし、靴は看護師と言う職業柄摩耗しやすく、自分に合ったものを自前で用意している人もいるためあくまで貸与されている制服だけの返却です。

通勤定期券

通勤方法によって異なるものの、自家用車ではなく公共交通機関で通勤している人は通勤用の定期券を現物支給されています。基本は病院への返却ですが、場合によっては定期券を発行する窓口で清算するという返却方法もあります。

ただし、定期券の現物支給ではなく交通費支給というかたちで受け取っている場合は返却は不要です。

看護師寮などの鍵

病院によっては独身者用、世帯用の看護師寮、看護師宿舎を用意し、勤務している看護師が入居しています。退職時には職員であるという条件を満たせなくなるため、鍵を返却して看護師寮から退去します。

マナーとして看護師寮の清掃を行い、立つ鳥跡を濁さずの精神で返却するよう心がけましょう。

病院で購入した資料・書類・備品

病院の経費で購入したこれらの備品は、原則として病院のものです。例え自分しか使っていない備品であっても、所有権は病院側にありますから返却の対象です。

看護師と言う職業柄、資料や書類は日常的に作成され、購入し、利用してきたはずです。看護師本人が作成した資料や書類であっても、病院の資産となるためデータごと病院へ返却します。

退職時に受け取るもの

次に受け取るものについて述べます。受け取るものはほぼ決まっていて、全部で4つあります。

雇用保険被保険者証

雇用保険の手続きに使いますから、必ず受け取りましょう。

1人につき1枚交付される仕組みで、看護師が病院に入職した時に病院側に預けて、退職する時に受け取るという仕組みです。

転職する場合は受け取って、転職先の病院に改めて提出することになります。転職ではなく普通に退職するだけならば、雇用保険の手続きに使います。

離職票

退職後10日以内に交付されるものです。受け取るの場所は、総務や人事など退職の手続きを扱う部署です。これらの部署にあらかじめ相談して、受け取り方について打ち合わせしておくと速やかに受け取れます。

病院によってはなかなか交付されず、退職と同時に受け取れない場合もあります。もし10日以内に交付されなければ、催促の連絡を入れましょう。

離職票は2枚あり、雇用保険の手続きに使います。既に新しい転職先が決まっている場合は離職票を使う必要はありませんが、あくまで念のために受け取ることです。

年金手帳

これは1つめの雇用保険被保険者証と同じく、入職する時に病院側に預けて退職する時に受け取るものです。厚生年金保険など公的年金の手続きに使います。

転職する場合、普通に退職する場合に限らず生涯必要な大切な品ですから、忘れずに受け取りましょう。

転職する場合は、再び新しい病院へ預けます。

源泉徴収票

これは税金の申告に使います。別の病院に転職する場合には、年内であればその病院に提出し病院側で年末調整を行います。

年内に転職しない場合は確定申告に使いますから、やはり必要です。