看護師の解雇ってあるの?

看護師が解雇されることは、それほど多くはありません。どの病院も看護師不足で悩まされることが多いなか、看護師をクビにすることはそれなりの理由があります。

また、解雇には下記の4種類があります。

  • 普通解雇
  • 整理解雇
  • 懲戒解雇
  • 論旨解雇

1つ1つ確認していきましょう!

普通解雇

病院の経営状態が悪化したため、経費削減や事業の縮小に伴う人員整理などがあげられます。この場合は、経営者側の都合により看護師を解雇されるので就業規則に従って退職金なども支払われます。

整理解雇

一般的に、リストラにあたります。

懲戒解雇

看護師に問題があり、病院側からクビになるケースです。勤務態度に問題がある、毎日のように遅刻をするということではいきなり懲戒解雇になることはありませんが、再三の注意に関わらず改善できない場合などは懲戒解雇になります。

また、病院の備品や現金の横領、患者さんへの暴力や暴言など犯罪行為に近いトラブルの場合も同様です。これは、看護師側に問題があり辞めさせられるので退職金などは支給されません。

しかし、解雇を告げた時から30日間の給料(平均賃金)は支給され、病院側の情報を持ち出さないよう誓約書にサインをし退職届の提出や健康保険証の返還などが行われます。

論旨解雇

懲戒解雇に当たる人に退職勧告をし、自主的に辞めてもらう事で退職勧奨にあたります。

解雇に関する法律を知っておこう!

労働契約法16条では、「解雇は客観的に合理的理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして無効とする」とされています。仕事を失うことは生活基盤を失うことで、働く人にとっては大きな打撃です。一度採用した人を簡単に辞めさせることはできず、解雇が正当と判断される理由が必要です。

例えば、経営悪化による人員整理の場合でも、単にコスト削減といった会社の業績不振による安易なものでは解雇できません。さまざまな手を尽くしても業務縮小が避けられないなど、解雇には明確な基準が必要です。

また、国籍や信条、産休・育休の取得を理由としての解雇なども禁止されています。

懲戒解雇の場合でも、社会的に好ましくない行動をとったとしても、会社の業務と関係のないプライベートな理由では解雇は成り立ちません。実際に解雇される場合でも、解雇日の30日以上前に予告を行うこと、予告を行わない場合は30日分の平均賃金を支給することとされれいます。

解雇の理由が正当と判断されるかはケースによって異なるので、不当解雇では?と疑問に思ったら専門家に相談することも必要です。

解雇された看護師の再就職実態

履歴書に解雇の事実を記載

解雇された看護師が再就職する場合、履歴書を作成する際には解雇をされた事実を記載しなければなりません。仮に書かずに採用され、入職時に離職票の提出を求められれば発覚していまいます。

解雇の中でも病院経営上での人員削減といった普通解雇の場合は、再就職に影響はないでしょう。

しかし、懲戒解雇の場合は書類審査で警戒される可能性は高く、病院側は患者さんとトラブルを起こすような看護師を採用するのはリスクを伴うため、問題のあった人を採用するのは避けたいと判断するのも仕方ありません。

小さなクリニックなど個人経営の病院では、院長の裁量次第では採用の可能性もあります。病院の中には寛容なところもありますし、人手不足の職場でもあるので一概に再就職が難しいとは言えません。

自分の過ちを反省し、今後どのような姿勢で仕事に取り組むかといった真摯な態度で向き合い理解してもらえる努力をすることも大切です。正社員での採用は難しくても、派遣やバイトといった非常勤での雇用も視野にいれて再就職することも必要です。

解雇の過去から信頼を取り戻す!

懲戒解雇という過去があっても、真面目な勤務態度から信頼関係を取り戻すことも可能です。信頼には時間がかかるかも知れませんが、正社員への雇用などにもつながる可能性もあります。

看護協会や行政などさまざまな機関などに相談することもできます。再就職は無理とあきらめずに自己反省して前に進むことが大切です。