呼吸器内科と言えば、気管や気管支疾患、肺などに疾患を抱える患者さんが訪れる診療科です。喉が痛い、呼吸がしづらい、胸が痛いなどの訴えがあります。

慢性疾患である、COPDや、慢性呼吸不全、喘息などの疾患を抱える患者さんも多く存在し、年齢が高くなるほどこの診療科を訪れる回数が増えます。

肺炎でお亡くなりになる高齢者や、肺がんで命を落とす患者さん等、呼吸器内科に対する人々のニーズは高まっています。

安楽な呼吸をサポートし、その人らしく、満足出来る生活をサポートする看護師の仕事をまとめてみます。

必要な看護技術・知識

呼吸器内科に入院する患者さんは、呼吸器系の急性疾患や、慢性疾患と健康レベルに下がります。

今の症状を対処できれば健康を回復出来る疾患(風邪や感染症)、煙草やアレルギー、職業病等により長期的なコントロールが必要な疾患と、その必要支援は専門性を要します。

呼吸のアセスメント

まずは、安楽な呼吸に関する情報収集が必要です。

呼吸器基礎疾患の有無や、これまでの発作や寛解増悪の経過を知り、患者さんのセルフケア能力を知ることが重要です。

また、現在の呼吸回数、リズム、酸素飽和度、末梢循環やチアノーゼの有無、呼吸に関する自覚症状や、患者さんの精神面を把握し、楽に呼吸が出来ているか、楽に呼吸が出来るようにするにはどのような支援が必要かをアセスメントする事が求められます。

体位変換

疾患の種類や病態により、安楽な呼吸方法は異なります。

一人一人の患者さんの思いや自覚症状、認識等に応じた個別性ある体位変換により、楽に生きが出来る事をサポートします。

座位やファーラー位が良い方には、ベッドのギャッジを挙げて背中を支えたり、賀正状態や側臥位が楽な方には、体位変換の使用を考慮する、また、ひざ下にまくらを挿入する等、患者さんの要望や安楽性を考慮した体位変換、体位調整を行います。

酸素吸入

酸素マスク、酸素カニューレ、リザーバーマスク、酸素テントなど、医師の指示と、患者さんの活動状況や安制度、安楽性に応じた酸素吸入法の選択が必要です。

また、看護師は、この治療の際の呼吸状態の観察や、酸素飽和度のモニタリング等により、CO2ナルコ―シスや、酸素不足などの異常早期発見を行う必要があります。

人工呼吸器の管理

呼吸器内科入院中の呼吸不全などによる人工呼吸器装着中患者さんの看護は習得しておかなければなりません。

また、勤務中に急変などで人工呼吸器を急きょ活用するようになる事も考慮し、機械について、機械の管理法、そして、適切な看護ケアについて学んでおく必要があります。

機械の設定や異常アラームについて、故障や異常時の対処法のマニュアル確認、人工呼吸器装着中患者の口腔ケアと、口腔への固定や管理方法を習得する必要があります。

そして、人工呼吸器装着中の患者の身体ケアを行う際の注意事項を知り、誤って抜けてしまったり、閉塞やつまりが無いようケア方法を知っておく必要があります。

吸引操作や口腔ケア

呼吸器疾患患者の中には、自己排痰困難な患者さんや、人工呼吸器などにより痰を出せない患者さんもいます。口腔内や咽頭部、肺への痰の貯留は、肺炎や疾患の増悪に繋がります。

よって、看護師が気付き、適宜吸引操作を行い、口腔や気道のクリアランスを図る必要があります。

患者さんの出来ない事をサポートする看護師の仕事としても、個別性に応じた口腔ケアの知識、実践力が必要です。

まとめ

もし、自分が呼吸しにくい状態になったり、呼吸器疾患を言い渡された時、どのような事を考えるでしょうか?

息が出来ないイコール「死」が直結します。患者さんは、そのような不安と闘いながら療養しています。

よって、この人にとって安楽な呼吸とは何かと考え、患者さんと相談しながら「楽に呼吸できる方法」を考えることが呼吸器内科の看護に必要な姿勢です。

また、このような不安を抱える患者さんに対して、優しく、丁寧に対応し、安心感を与えられる事も必要な看護技術ではないでしょうか。

口腔ケアの実態、基本的看護技術の本などを参考に、最新の呼吸管理、呼吸器ケアを学ぶ事もお勧めです。