腫瘍内科とは、あらゆるがん疾患に対応し、外科的治療を終了した患者さんが化学療法や放射線療法を継続する場合に外科から転科してくる診療科です。
また、がん治療が終了た患者さんが、日常生活に戻った際の定期受診などに訪れる診療科であったり、外科的療法が適応で無い早期がんや進行がんに対応する治療の場でもあります。
進行がんの場合は、緩和ケアとして積極的治療は行わず、苦痛や痛みを取り除く為の専門治療を行う場合もあります。
何にせよ、「がん」と言う疾患に立ち向かう患者さんが訪れる診療科である為、専門的知識と高度な技術を持って、患者さんの早期回復や苦痛緩和に努めなければなりません。
必要な看護技術・知識
まず、腫瘍内科では、外科的治療は成されません。
薬物による対症療法、化学療法、放射線を用いた治療を主とし、CVポートを皮下に造設し、継続的に安全に治療がなされるよう施術される事もあります。
そして、進行したがん患者には、その方のニーズやご家族の要望により、麻薬製剤や鎮痛剤を利用した緩和ケアを行う場合もあります。
CVポート管理
腫瘍内科に入院する患者さんの多くは、持続的に輸液療法を行ったり、絶食による高カロリー輸液を行ったり、化学療法により定期的に薬剤投与する事があります。確実に安全に薬剤を投与するために、CVラインを確保する場合があります。
医師が挿入するCVラインですが、清潔に迅速に挿入操作が行われるよう、マニュアルを熟知し、その介助が円滑に出来るよう練習しておく必要があります。
ポート造設の場合は、小手術となる為、その処置後の皮膚やライン管理が必要となります。
また、造設したポートや、挿入されたCVラインにトラブルが無いか、刺入部に異常が無いか、適切な薬剤を適切な時に必要量投与できるかという管理法を熟知しておく必要があります。
CV挿入部を管理する際は、感染に充分注意し、清潔操作にて対処される事が求められます。セッシやガーゼ、保護剤などを清潔に操作できる技術が必要です。
麻薬管理
緩和ケアを行う患者さんには、痛みの程度や医師の指示による疼痛コントロールが行われます。非麻薬性薬剤では対応できない激痛に関しては、麻薬を用いられる事があります。
麻薬を利用する際の院内マニュアルの知識、その使用前後の全身状態や痛みの変化の観察、副作用の有無など、麻薬を用いた為の効果や副反応を観察、管理する必要があります。
安楽ケア
がん疾患が進行すると、痛みや苦痛を伴う場合があります。安楽な体位保持、精神的ストレスを緩和する癒しのケアなどを習得しておく事も必要です。
体位変換枕を用いた姿勢保持介助や体位変換、手浴や足浴を用いたリラックスケア、快適な環境調整による苦痛緩和など、患者さんが少しでも快適と感じられるケアを考える知識やその技術を習得しておくことも必要です。
輸液ポンプやシリンジポンプの活用法
化学療法、麻薬管理、鎮痛剤や鎮静剤の活用には、輸液ポンプやシリンジポンプを用いることがあります。
この機器の取り扱い法や故障時の対処など、正しく投与するための利用法を知っておく必要があります。
まとめ
腫瘍内科に入院する患者さんの健康状態や今後の予後は、一人一人異なります。そして、疾患の捉え方や治療に対する思いも様々です。
その方の生活の質を高めるケアと、その人らしい生き方を支援する技術が求められます。患者さんと意思疎通を図り、その人らしい治療の決定を促せるコミュニケーションスキルも必要ではないでしょうか。
がん治療には、薬剤やその管理法など専門的で高度な地市域と技術を要する特徴があります。患者さんの苦痛と不安緩和の為の専門的知識の習得が必須です。
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