内分泌・代謝内科と言う診療科は、専門機関や大病院で聞くことがありますが、小さな病院や中小の総合病院ではあまり耳にしない診療科です。

しかし、疾患や専門領域の追求により、診療範囲を狭め、より専門的で高度な良質な医療を求める声により、「内科」の中でも、ホルモン系や代謝系の専門チームを立ち上げる医療機関も多くなっています。

内分泌・代謝内科は、糖尿病、甲状腺疾患、下垂体疾患、副腎疾患、高血圧や脂質代謝異常などの疾患を取り扱い診療科です。

脳から発令されるホルモンが原因で、疾患になったり、病状増悪の原因となる場合がア多く、その緻密性と専門性を必要とされる領域です。

では、このような内分泌・代謝内科の看護で必要な知識や技術はどのようなものがあるかを知りましょう。

必要な看護技術と知識

このような疾患を抱える患者さんは、成人、中高年、高齢者であったり、生まれながらに持つ疾患、妊娠を機に発症してしまうケースなど様々な年齢や発達段階の患者さんを対象とします。

内服や注射などによるコントロール、自己管理を要するケースが多く、自分で管理できない場合は、家族や誰かの支援を受けて健康を維持できるようサポートされる必要があります。

病識と自己管理能力への支援

まずは、患者さん自身が自分はどのような病気であるかを知るよう、医師による説明と、その理解度を知り、適切に納得できるよう説明や指導を行う必要があります。

また、患者さんが理解困難な場合や、自己管理が出来ない状況である場合は、そのご家族や、その方の支援者に適切な療養管理法を説明し、代行できるよう指導していく必要があります。

糖尿病患者では、血糖測定やその数値による服薬、インシュリン治療の理解が必要です。

また、高血圧症の患者には、血圧測定の方法や異常時の対処法を知っておく必要があります。

また、これらの内分泌系疾患では、適切な療養管理や生活法の順守を要する場合が多々あります。

正しい情報を教育し、セルフケア出来るよう看護師として働きかける知識と技術が必要です。

そして、しっかりと自己管理したいと感じている意欲ある患者さんに対し、誠実で分かりやすい、実践できる療養法の知識、それを伝える指導力も必要です。

血液検査

内分泌系疾患の患者さんは、その薬物療法などの効果、日々の生活の状況を知る為に血液検査を定期的に行います。

看護師は、その患者さんに必要な血液検査項目を知り、正しい検体に血液採取しなければなりません。

また、痛みを伴う検査である為、なるべく一回で苦痛なく終了できる技も必要です。

薬物療法

薬物療法は、いつ、何の薬を、どの量飲むか、インシュリン療法などの場合は、何の薬剤を何単位、いつ打てばよいかを知り、正しく与薬する必要があります。

また、退院間近の患者さんには、自分で管理できるよう教育指導を行います。

自分ででいない患者さんについては、家族などに指導を行う事も必要です。

日常生活支援

大体の患者さんは、生活習慣病などの教育入院で入られる方が多いのが特徴ですが、高齢化により、セルフケア困難でコントロール不足や、状態悪化により入院される事もあります。

よって、日常生活支援として、食事、排泄、清潔保持などのサポートを行う事もあります。

まとめ

内分泌・代謝内科の特徴として、自己管理して、自分の生活に支障ない療養法を獲得しなければならない人が多いと言う事があります。

働く人、家庭を支える人がかかりやすい生活習慣病に対し、正しい理解を持って安全に生活できるサポーターになる事も必要です。

その為には、個々に応じた療養法を選択肢、情報提供できる知識力が求められるのではないでしょうか。

疾患の管理や、データに基づく看護的関わりも必要ですが、人が自分らしく疾患を抱えながら生活できる事を支える指導者としての役割も担います。