行政保健師として働くために

看護師・保健師資格を取得した後、公務員試験に合格しなければなりません。保健師の採用試験に関する詳細は都道府県ごとに若干違っていますが、基本的なことは同じです。

保健師には資格手当・夜勤や残業、休日に仕事をすることはなく、公務員として働くため安定した収入を手に入れることができます。ただ、その理想的な条件から行政保健師を目指す人は多く、採用人数も少ないため就職することはとても困難です。行政保健師の職に就きたいという人は他の応募者と差をつけるためにもかなりの知識を持って面接や筆記試験へ臨む必要があります。

行政保健師の仕事には保健指導も多く含まれるため、コミュニケーション能力にも長けていなければ務まりません。大勢の人を前にして指導が行われることもあるため、人前での会話やわかりやすい文章能力も鍛えておく必要があります。

行政保健師の求人について

市役所のホームページ上から募集されている場合が多く、その採用倍率はやはり人気もあることから10倍から20倍にもなります。

新卒で行政保健師を目指す人は、経験のないことがデメリットになることもあり保健師のことについて誰よりも詳しくなることが必要です。希望する自治体での募集がなくても他の地域で求人があればそちらに応募し、経験を積んで本来の希望する地域で求人が出された際に応募することで、採用率も高くなると見込まれます。

これはどのような職種についてもいうことのできるものですが、行政保健師になりたい理由や就職してどのようにしたいのかなども将来的に考えて、答えられるようにしておかなければなりません。

保健師とは

保健師は、以下の3つに大きく分けられます。

  • 学校保健師
  • 産業保健師
  • 行政保健師

そのうち行政保健師は公務員であり、主な仕事場は保健センターや保健所などといった地方自治体の機関です。

また、行政保健師もその区分は大きくふたつに分けられます。

  • 市町村の保健師
  • 保健所の保健師

市町村保健師

対象者になるのは、その市町村に在住している住民全てで、年齢層も乳児から高齢者まで様々です。乳幼児のいる家庭では、その子どもが生まれてから間もなく家庭訪問をし、定期健診も行います。

自治体で決められた健診の計画や実施、障がい者の支援、高齢者に対しては介護のサポートも仕事のうちです。そのほかに、住民の健康相談や保健指導も含まれ、住民の生活に密着し時には行政との橋渡し役にもなることが市町村保健師の仕事です。

保健所保健師

市町村保健師よりも担当枠が狭められ、主な仕事は病気を未然に防ぐための保健公衆衛生業務です。

障がい者や難病の患者さん、エイズの患者さんなどへの保健サービスも行い、毎年流行するインフルエンザや、海外の珍しい感染症に関する情報も常に勉強しておくことが大切です。感染症の拡大を防ぎ、予防策を提供することも保健所で働く保健師の仕事です。