ブラック病院ってどんな病院?

看護師の労働環境をめぐる考え方

職場としての病院のハード面、あるいは人材を募るにあたっての求人広告の詳細などが以前と比べて大きく変化してきました。社会全体がライフワークバランスを重視している昨今において、働き方、また恵まれた労働環境といったものは非常に重大な要素です。

看護師という仕事が大変なものであることは言うまでもありませんが、そのような中にあって「環境改善」に取り組むことについては例外ではありません。

ここでその実現を妨げているものが、いわゆる「ブラック病院」です。

スタッフからの視点

社会問題になっている「ブラック企業」と共通しますが、極端に長い労働時間や不十分な休日、残業代の不払いといったことがあれば該当します。

当然ですが、それに関連して離職率が高くスタッフがなかなか定着していない、配置基準を満たす最低限の人員体制になっていていつも人手不足であるといった環境も含まれます。

患者さんからの視点

職場としての環境が良くないことが影響している部分も大きく、スタッフがいつも疲れていて不機嫌そうに見えるといった印象を抱かれがちです。

また、肝心の医療面でも技術的な水準が満足に足らないものであるほか、待ち時間が長い、経過観察ばかりが続くといったことなどが挙げられます。

ブラック病院の見分け方

求人広告に注目する

看護師向けの転職サイトなどで求人広告自体は簡単に探すことができ、中には複数のサイトで同時に掲載されている病院の広告があります。こういった場合は経営面の余裕こそあるものの、職員が定着していないという可能性も予想されます。

ベッド数に対する求人数

必要な看護師の人数については「日本看護協会の労働安全に関する資料」などから導くことができ、それに比べてあまりに求人が多い場合は入職した後で続かないことも見込まれている可能性があります。

逆に、人数が少ない場合には勤務時間や休日について希望しても融通が利かず、条件としてかなりハードになることも考えられます。

経験者限定の募集

即戦力となる人材を歓迎していることは、高い期待のあらわれです。

ただその一方で、経験の浅い新人を育成する余裕がないとも考えられ、厳しい現場環境であることも少なからずあります。

スタッフの年齢層

教育やフォローアップなどといったことも考え併せると、スタッフの年齢はある程度全年代で均一になっていることが理想的です。

若いスタッフが目に見えて多い場合は、体力を要し若さがなければ務まらないような仕事があると見込まれます。逆に、年配のスタッフが多い場合は若い世代が定着しないような要素があるかもしれません。

平均年齢の情報だけではわからないため、職場を考えるにあたっては病院見学の機会で判断することが大切です。

病院選びのコツ

自分から環境を調べる

公開されている募集要項で情報を精査することはもちろんですが、直接の問い合わせや病院見学の機会も活用しなければなりません。

入職してからの後悔を避けるためにも大切なことですから、慎重な判断が求められるところです。

電話での問い合わせ

病院でも接遇などに関する研修は行われていますから、本来、挨拶をはじめとする対応は誠実で気持ち良さを感じるものでなければなりません。それがちょっと違うとなれば丁寧なコミュニケーションをとる余裕がないか、スタッフの忙しさからそういった対応にならざるを得ない環境であるとうかがわれます。

現場での機会から

設備の新しさではなく、あくまで清潔にされているかどうかは重要です。万が一衛生的でない要素が見受けられれば、そういった状況が黙認されているということです。

また、募集要項で示されていたよりも大幅に高額な給与が提示された場合はそれだけでも話が違いますから、よく確認しなければなりません。また、変則勤務があった場合の残業代や勤務時間などを突っ込んで確認する際に返答が曖昧であるようなときも、入職後にそのまま曖昧な対応となってしまう危険があります。

事前の確認、現場での雰囲気、曖昧なことははっきりさせるなど、ブラック病院に就職しないために準備することは沢山あります!