職場による看護師の退職金の違い
退職金の計算方法は、勤続年数に基本給の金額や固定の金額を乗じる場合、またさらに功績倍率を乗じる場合とすべて職場の規定で決められている場合があります。
功績倍率は職場へ貢献した度合いによって変動しますが金額はもっとも高額になる可能性もあり、職場の規定ですと勤続年数ごとで一律の金額になっているほかキャリアを問わず固定の金額ということもあり得ます。
退職金が多い職場
●国立病院
看護師が勤務する職場としては、もっとも金額が多くなっています。身分が公務員ということになりますから制度としても整っていて、最高額が平均で3,000万円以上になる場合も珍しくありません。
また、事情によって早期退職することとなっても、退職金優遇制度があり4割増で受け取ることが可能です。
●公立病院
身分としては、準公務員という扱いになります。国立病院ほどではないものの、それに準じて退職金の金額は多くなっています。
●介護施設
特に高級な老人ホームですと、かなりの金額を期待することができます。普段から給与の金額も高水準に設定されていることから、退職金を計算するにあたってもわかりやすく高額になっています。
●大手の総合病院・企業病院
総合病院は患者さんの数が多く経営も総じて安定しているため、退職金制度もある程度しっかりしたものになっています。
企業病院ですと雇用体系が会社員と同様でやはり制度として整えられていて、規模による多少の変動はありますが1,000万円程度から3,000万円程度までといった幅もあります。
退職金が少ない職場
●規模の小さい医療機関
個人病院のほかクリニックや診療所などといったように、民間病院でも規模の小さい医療機関です。
個人病院であっても経営が安定していれば相応に期待することはできますが、そもそも小規模ですと全体的な収益も少ないために退職金も少なくなるのです。
そもそも退職金制度自体がないという個人病院は、少なからずあります。また実働年数にかかわらず金額は変わらないという場合も多く、多くの場合は10万円程度といった水準になっています。
看護師の退職金相場
看護師5年目の場合
退職金制度は通常ですと3年以上にわたって勤続しているスタッフが対象とされているため、5年目であればほぼ確実に受け取ることができます。
ただ自己都合による退職であると金額の見積もりが低くなり平均を下回るケースもあり、特に3年目から5年目というキャリアであると自己都合が多いため該当する場合も多くあります。
●公的病院
勤続年数としては、短期ということになります。平均して200万円程度となりますが、地方ごとに多少の違いはあります。
●民間病院
平均して、100万円前後となっています。少なければ50万円程度、多ければ200万円程度といったように開きもあります。
看護師10年目の場合
●公的病院
勤続についてはすでに長期となっていて、平均すると400万円程度といった金額になります。地域による違いもあり、都心部では500万円程度にもなり得ます。
●民間病院
ばらつきが大きく、平均して200万円から300万程度となっています。経営状態によってはさらに少ない場合もあり、20年以下の勤続年数がすべて短期という扱いになっていることもあります。
定年退職の場合
国立病院や公的病院ですと60歳程度、民間病院のほか介護施設も含めて60歳から65歳程度となっています。新卒からこの年齢まで勤続すると仮定すると、勤続年数としては30年以上になります。
平均して2,100万円前後となっていて職場による違いもありますが確実に1,000万円以上にはなり、公的病院であれば3,000万円単位になります。
定年退職は年齢によるものですから退職理由による差し引きといったこともなく、まさに計算通り支給されるということになります。
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