皆勤手当とは

皆勤手当とは、精皆勤手当、精勤手当などとも呼ばれる手当で、欠勤、遅刻なく勤務した時に支給される手当です。精皆勤手当、精勤手当という名前でも呼ばれる理由は、無遅刻、無欠勤の人の勤労を奨励する意味を持つことからです。

こうした手当をつけるのは、職員が遅刻、早退、欠勤するのを防ぐあるいは出来るだけ少なくしようと試みで、皆勤手当という飴を与えることで自然に・積極的に無遅刻、無欠席を目指そうと努力したくなる目論見があります。

名前の通り皆勤でなければ支給されず、1か月の間に遅刻や欠勤、早退を1度でもすれば皆勤手当は減額されていきます。病院ごとに基準やシステムが違い、遅刻、早退、欠勤の回数が一定数以下であれば支給の対象とする場合もありますが、その場合はどちらかと言えば精勤手当と呼び、一定のノルマを達成できたことを奨励して支給するという意味合いになります。

そして皆勤手当と呼ぶ場合は、完全に無遅刻、無欠席で完全に勤務できている場合にそう呼んでいることがあります。

看護師の場合、シフトを組んで勤務しているため所属する看護師全員が同じ時間帯に勤務している訳ではありません。そのため、遅刻や早退が次の時間帯に勤務する他の看護師に響いてしまいます。日勤から夜勤へ仕事を引き継ぐ際に、日勤の人が早退してしまったり、夜勤の人が遅刻してくると引き継ぎやミーティングの機会を逃してしまい、情報を上手く共有できなくなります。

病院全体に迷惑をかけることになるため、看護師という職業は必要以上に皆勤が重要視されてくるのです。

皆勤手当はどうしたらもらえるの?

看護師の場合、一般的な社会人と勤務日そのものが違います。病院やクリニック、介護施設などでは看護師がシフトを組んでローテーションで勤務をしており、皆勤手当の対象となるのはそのシフトどおりに勤務した看護師です。

注意点として、有給休暇を取得して仕事を休んだ日があった場合、病院ごとに対応が異なるという点です。労働基準法によると、有給休暇を取得した場合、賃金の減額や不利益な扱いをしてはならないと定められています。よって、本来であれば有給休暇で休んでも皆勤扱いとなり皆勤手当の対象です。

しかし、病院によっては有給休暇を取得しての休みを欠勤扱いし、皆勤手当の対象としないケースもあるのです。もちろん労働基準法に違反しているため、労働基準監督署などに訴えて皆勤手当を減額させず支給させるという手も使えます。

その一方で、たとえ遅刻や早退をした場合でも、やむを得ない事情があれば皆勤扱いとし皆勤手当の対象になることもあります。

例えば、具合が悪くて病院を受診した場合、家族の介護、看護をした場合などです。こうしたやむを得ない事情があれば、病院側に話を通すことで皆勤手当を減額せずに支給してもらえます。

皆勤手当の相場はいくら?

皆勤手当ての相場は、勤務先の病院、クリニック、介護施設などで違い、おおよそ5,000円~10,000円の間となっています。

一定額を皆勤手当として示しておき、遅刻や欠勤、早退の回数に応じて減額するというのが一般的な支給の仕方です。

皆勤手当の賢い使い方

皆勤手当は病院ごとにシステムが違うことが多く、求人を選ぶ際には皆勤手当について明記されているかが確認事項になります。明記されていない場合は、求人に応募して面接のときに聞いてみましょう。

皆勤手当を含めて、手当の細かい仕組みついては質問しないと答えてくれないことが多く、面接のときの質問としては一般的な部類に入ります。遠慮せず思い切ってどんな基準で支給されるのか、減額される場合はどういうケースなのか、やむを得ない事情で欠勤、遅刻した場合も減額の対象となるのかなど、細かく質問して確認するのが一番手っ取り早くて済みます。

勤務してから求人内容と違うと慌てるよりも、面接の段階ではっきりさせておきましょう。