スポーツ整形外科はスポーツを行う患者さんや競技者を治療し、その専門性の高さから早期回復を果し、その競技に早期に復帰できるよう専門治療を行う診療科です。

手術療法や、保存療法を行いますが、その治療の最中からリハビリテーションを行い、機能低下を最小限としたケアを行う事が特徴です。

また、自立した生活支援を促し、その方の残存機能を充分に把握して、その力が最も発揮できるよう看護師としての支援が求められます。

よって、看護師に必要な知識や技術は、その方のアセスメントや生活やセルフケアなどの指導法などが中心となります。

では、スポーツ整形外科での看護師に求められる知識や技術を学びましょう。

必要な看護技術・知識

競技により骨、筋、関節などに支障を来たした患者さんの多くは、装具固定や治療により、日常生活において変容を来たさなければならないことが増えます。

松葉づえの取り扱いと歩行方法の指導

下肢の怪我や障害等においては、その移動方法はたくさんあり、慣れない移動方法は転倒リスクが高まり、患者さんには、正しい移動方法の習得が求められます。

荷重に関する制限の有無を把握し、理学療法士と共に、患者さんの松葉づえを用いた歩行方法の指導を行います。

転倒に対する知識や認識を持ち、環境調整や靴の選択、注意点の指導が行えるよう知識が必要です。

また、その安全な歩行方法の知識と、自分でも安全な松葉づえ歩行方法の習得、伝授できる技術を習得する事が必要です。

装具固定中患者の清拭技術(ニーブレース装着)

膝の手術後や膝の靭帯や膝内部の組織の損傷によりニーブレース固定した患者さんは、入浴やシャワー浴が困難で、その清潔ケアに正式が行われることが多くあります。

固定具を外すこととなりますが、痛みを生じすことがあったり、その固定を外して、知識無く動かしてしまうと症状悪化させてしまう事があります。

ニーブレースを一時的に外す際は、患側を手で支えたり、クッションで歪まないよう肢位補正するなど、肢位に対する知識と、何を用いて保持する事が安楽かを知っておく必要があります。

また、皮膚トラブルの有無や、末梢循環不全が無いかなどの観察を行い、異常を早期発見できる知識が必要です。

早期離床の為の関節運動の指導知識

長期臥床や過介助による機能低下促進を阻止するために、自分で出来るオリエンテーション方法の指導を行います。

整形外科に入院する患者さんは、若者や学生もいます。早く治し、早期に社会復帰する為にも積極的なリハビリ参加が必要です。

動かせる関節や筋肉、安静指示の有無などを確認し、関節運動の必要性を患者指導します。健側が全身自動運動を行い、患側の固定部以外は健側同様の自動運動を行います。

そして、固定や医師の指示により積極的運動が不可となれば、看護師や自分の手などを用いて他動運動を行います。

日常生活においても、なるべくベッドから離れての生活をするよう指導します。

深部静脈血栓症に関する知識とその予防法

ベッド上安静などにより、深部静脈血栓症のリスクが高まります。特に、大腿骨や膝関節などの手術による運動制限、痛みによる離床困難となれば、そのリスクが高まります。

深部静脈血栓の知識を患者に伝え、その予防法を共に行えるように支援する知識と技術が必要です。

また、深部静脈血栓症が発症していないか、自分でも発見できるよう、その異変に気付ける知識を患者指導する知識が必要です。

そして、なかなかその理解が進まない患者さんには、深部静脈血栓症のリスクと、その悪影響について指導する事で、納得して予防運動が出来るよう支援します。