整形外科では、運動器系の骨、筋肉、腱、関節系の痛みや神経障害、運動障害により治療を要する患者さんが訪れる医療機関です。

看護師の方々も、子供の時、成人して看護の仕事をし始めてなど、整形外科にかかった経験があると思います。

身近でポピュラーな整形外科なので、なんとなく行う治療や看護は想像が付くでしょう。

家に帰る為に、自分の事が自分で出来るように看護職者としてサポートし、退院後困る事無く自分らしい生活が出来るよう自立を促す支援が求められます。

では、整形外科看護について学び、そこで求められる看護師に慣れるよう知識付けしましょう。

必要な看護技術・知識

整形外科では、疼痛コントロール、リハビリテーション、装具やギプス固定など専門的知識や技術を持って患者さんの看護を行わなければなりません。

一般の内科や外科では使われない治療機器や固定具などの取りあつかいがあり、それらへの適応も求められます。

コンパートメント症候群の観察、その予防技術

骨折や筋膜異常などにより循環障害を来たしたことが原因で起こります。

放置すると、機能障害はおろか、壊死を来たすことがあります。

前腕や下腿が好発部位で、ここの不自然な肢位での圧迫が原因です。患部の腫脹、水泡形成、疼痛悪化、知覚・運動障害、神経障害、動脈触知低下など。

ギプス装着中患者には、ギプスカットを行い、圧解消を図る為、ギプスカットの介助技術が必要です。

また、正しい肢位の保持による症状改善が見込める為、枕やクッションなどを用いた良肢位保持の知識と技術が必要です。

筋力増強訓練の知識とその支援技術

早期離床による筋力と体力低下予防のために、受傷後、入院後、手術後の早期リハビリを開始します。

その為に、入院した時の身体状況と、医師の指示に基づくリハビリテーションを開始します。

よって、リハビリテーションの理解が必要です。

まずは、体位変換から開始されることが多く、体位変換の技術と、その方の身体状況に応じた安楽な肢位保持支援が求められます。

そして、静脈血栓予防のために、足関節の屈伸運動や等尺性運動の方法やその指導法を知識付けし、他動的に実践する技術の習得が必要です。

車いす移乗や歩行器での歩行など、移動に関する看護技術

整形外科に入院する患者さんの多くは、何かの固定をしていたり、運動器系の疾患である為、移動に介助や見守りが必要なことが多いです。

よって、歩行介助や車いす、歩行器を用いた歩行の介助、それらの使用法を指導する知識が必要です。

麻痺のある方、固定をしている方等の安全な移動を支援する事、その注意事項の教育等の知識や技術を要します。

リハビリを前向きにするコミュニケーションスキル

機能障害や気の応低下を来たした患者さん、長期臥床による廃用症候群等により意欲低下した患者さんにリハビリに積極的になれる関わりが出来るコミュニケーションスキルが必要です。

看護師の一言で患者さんは、頑張れたり、やる気を取り戻せるものです。

よって、出来るようになった事を伝えたり、頑張りを褒める等、意欲が高められる言葉掛けや対話により、前向きにさせるコミュニケーションスキルが求められます。

まとめ

整形外科では、固定をしている患者さんの循環障害や固定による障害を早期に発見し、対処、症状改善される知識や技術が必要です。

また、リハビリを要する患者さんは、時にマイナス思考になり「治らないのではないか」「どうせ良くならない」と考えがちです。

このような患者さんの気持ちを高められる心温まる言葉や関わりで、「良くなりたい」気持ちを高められる心のケアが必要です。

心のケアを行う事で、治療やリハビリが前向きになり、治療効果を高め、社会復帰に向けて大きく前進出来るという結果を得られる事もあります。