リウマチや膠原病の疾患について、看護学校や教育課程ではその奥深くまで追求する事は無かったのではないでしょうか?

本当に基礎や触り程度の知識しか学んでこなかった新人看護師や現任看護師も多いことでしょう。

リウマチ・膠原病内科では、自己免疫性疾患、特定疾患や難病など、専門的で高度な治療を成す医療現場と言えます。

関節リウマチ、全身性エリテマト-デス、ベーチェット病、全身性硬化症など、膠原病と言われる疾患を治療します。

耳慣れない疾患が多く、その理解が困難な場合があります。

これらの膠原病で、患者さんが主訴とする症状は、関節が痛い、筋肉が痛い、原因不明の発熱や呼吸困難、神経痛、粘膜系の渇きを訴える事があります。

しかし、一般内科では異常なしと診断されて何件も医療機関をめぐってきた患者さんもいます。

では、このように専門知識が無ければ診断や治療開始に至らない、リウマチ・膠原病内科での看護を学んでみましょう。

必要な看護技術・知識

リウマチ疾患では、まず、血液検査による自己免疫性疾患の特定や診断が急務です。

診断される間も、患者さんは痛みや苦痛を伴い、適切に診断されないストレスとも戦っています。

よって、正しい検査により早期に診断される介助が必要です。

また、痛みや苦痛の緩和、薬剤管理やセルフケアに着目した支援が必要です。

血液検査

正確な診断を得るためには、正しい検査がなされる事が必要です。

血液採取は痛みを伴う為、一度で必要量を採取される必要があります。

薬物療法

鎮痛剤の使用や、対処療法、ホルモン系の薬剤など、様々な薬物で症状悪化の予防や症状緩和を図ります。

その薬剤の効果や副作用を知り、正しく適切に与薬する必要があります。

また、今後自己管理を必要そされる薬物である為、患者さんにその内服や継続の必要性を伝える知識も必要です。

日常生活支援

痛みや苦痛により、自分で自分の事が出来なくなってしまう事があります。

看護師は、食事、排泄、移動、清潔保持などの療養のお世話を行います。

痛みや苦痛なく、日常生活が支援されるよう、個別性や症状に応じたセルフケア支援を行う技術が必要です。

食事では、食べられる食形態の物に変更したり、関節の変化などに応じて自分で食べられる自助具の利用等を考慮します。

また、トイレに行く、どこかへ行く等、移動が安全に安楽に行えるよう、歩行介助、車いす介助、ベッドでの移送などその方に応じた、安全で安楽な移動介助法を考えます。

そして、排泄方法も、どうしてもトイレに行けない痛みがある場合は、尿器や便器の利用介助、床上排泄の支援、おむつケアなどの技術が必要です。

生活指導

薬剤の内服の継続、日常生活上の注意点、ステロイドや免疫抑制剤の利用による異変や異常に関する知識を患者教育する知識が必要です。

患者さんは、「何故これを呑まなければいけないのか」「どうして喫煙がいけないのか」「どうして血圧コントロールや食事の工夫が必要か」など、何故やどうしてと言う気持ちがたくさんあります。

症状を悪化させない為に、その疑問に応え、適切な自己管理と療養が出来るよう指導力と必要知識を習得しておく必要があります。

まとめ

本当に痛みや苦痛と闘っている患者さんが多いのがリウマチ・膠原病内科に入院する患者さんです。

しかし、痛そうにしている患者さんの全てに対応してしまっては、残存機能の低下やセルフケア困難となる事もあり、そのサポートには充分なアセスメントによる必要最低限の支援とする必要があります。

苦痛を緩和し、その人らしい生活の質を高められる技術と知識が重要です。