転職に成功したA子さんのケース

前の総合病院では管理職からのプレッシャーが極めて強く、ナースステーション全体が沈んだような印象で新人にさえフレッシュさが感じられなかったほどでした。

緊張した空気感の中で気ばかり遣わなければならない人間関係に疲れ、クリニックへ転職することにしました。

転職後の状況

クリニックですから残業がほとんどなく、収入は下がりました。ただ、何より人間関係が良好であることからシフトの交替などもしやすく、希望通りに休みを取ることができてワークライフバランスは良くなりました。

成功に至った理由

多少の給料うんぬんよりも、とにかく人間関係にこだわって職場を決めたことが良かったと思っています。安心して、長く働いていくことができます。

転職に失敗したB子さんのケース

前の職場において人間関係や教育体制などは恵まれていたものの、60時間以上の残業が当たり前という状況でした。日々の業務に追われる中で、体力的にも精神的にも仕事を続けることが厳しくなって転職を決意しました。

転職後の状況

勤務体制の改善に取り組んでいるという話を聞いて自由な時間や休日が確保しやすそうな職場に決めたのですが、実際に入職してみると求人募集の条件と現実があまりにも違っていて以前の職場はまだ良かったと思うほどでした。

看護体制についても、衛生面への配慮が行き届いていないのではないかといった疑問を持っています。

失敗に至った理由

求人募集で掲げられていた条件について厳密な確認を怠ったため、実際に取り組みも進んでいない状況であり残業の多さから休日の不十分さまでが全く改善されていませんでした。

また、看護体制をただ受け入れている同僚に対しても違和感があり、人間関係自体は良いながら価値観を違えていることが今後を不安にしています。

失敗・成功という考え方

転職が失敗した、成功したという結論はあくまでも主観です。転職した理由や重視したいことによっても環境への満足度は違い、人と同じにはなりません。

失敗したという人の傾向

新たな職場について十分に情報を集めないまま入職してしまい、思っていた感じと違っていたと後悔するケースが少なくありません。職務内容について正しく理解していなかった、事前に見学しなかったため院内の雰囲気を理解していなかったといったことが影響しています。

成功したという人の傾向

情報収集はもちろん、総じて転職にあたって重視していた点で満足することができています。本当に何もかも文句がないというように理想的な職場はそうありませんが、優先順位をつけた条件が満たされていればそれほど不満にはなりません。

成功するために必要なこと

転職活動のスタートがカギ

一度落ち着いて、自己分析という作業を行うことが必要です。その中で職場へ求める条件として譲ることができない点は何かを洗い出し、理想とする働き方や目指す姿も確認しておきます。

万全の情報収集

求人情報はもちろん、募集元のホームページや転職支援サービスなど活用することのできるものは何でも使います。

文字情報や話だけで足りなければ現場見学をする、実際に自分で利用してみるといったことまでをしてみるべきです。

失敗しないための秘訣

どうしても入職しなければわからないことはあるものですが、面接で聞いていた内容と現場の実際があまりに異なるという状況を防ぐためには口頭で済ませないことが重要です。

労働条件などについて明示した書面をお互いに持っていることで回避策となり、記載事項も解釈にギャップがあってトラブルということにならないよう曖昧にせず説明を求め納得しなければなりません。

また、将来的に昇給する可能性があるのかといったこともしっかり確認しておく必要があります。収入が減って生活に問題がないかどうかまでも考え、問題のない判断をした上で入職を決めなければ後悔することになりかねません。