通勤手当とは

看護師の通勤手当とは、看護師が職場である病院まで通勤する際にかかる交通費を補助する目的で、基本給とは別に支給される手当のことを言います。通勤手当は一般的に、常勤・非常勤に関わらず支給されているケースが多いです。

しかし、法律に雇用主が必ず支給しなくはならないといった規定はなく、雇用条件によっては支給される場合とされない場合とがあります。特に派遣従業員として勤務する看護師の場合では、通勤手当は基本給に込みというケースも多くなっています。

通勤手当は通常、電車やバスといった公共交通機関を利用して通勤する場合にのみ支給されますが、原則として最短経路で通勤した場合の1ヶ月分の定期代が支給されます。アルバイトなど月に数日しか勤務しない場合には1回分の切符代で計算されることもありますが、中には定期代を日割りした額が支給されているところもあります。

また、病院までマイカーや自転車で通勤する場合には、マイカーや自転車での通勤距離に応じた通勤手当が支給されるところもあります。特に公共交通機関の発達していない地域などでは、利用無料の職員専用駐車場・駐輪場が設けられていたり、駐車(駐輪)料金やガソリン代などを補助する目的で通勤距離に応じた通勤手当が支給されていたりします。ただし、通勤手当にはマイカーや自転車の維持費等が含まれることはありません。

通勤手当はどうしたらもらえるの?

通勤手当は、基本的に雇用契約の際に申請することで支給を受けることができます。申請の際には必ず、公共交通機関を利用した場合の最短経路、マイカーや自転車通勤の場合では最短距離を申請することが必要です。

公共交通機関を利用する場合には、1ヶ月分の定期代が支給額となるため定期代の額を調べておくことも必要です。ただし、分からない場合には空欄にしておいても差し支えはありません。

例えば上野駅から渋谷駅までの場合では、東京メトロ銀座線「上野」から「渋谷」までの1ヶ月分の定期代が8,160円、JR山手線「上野」から「渋谷」までが7,750円となります。この場合では一番定期代の安い、JR山手線「上野」から「渋谷」までの7,750円が通勤手当の支給対象となります。

1ヶ月の通勤日数が少なく定期代分を消化できない場合には、通勤1日分の料金を申告することも可能ですが、中には定期代から日割り計算して日数分が支給されるケースもあります。マイカーや自転車通勤についても正確な通勤経路を申告することが必要となり、支給額の算出方法は雇用主によっても異なるため確認が必要です。

通勤手当の相場はいくら?

通勤手当の支給額は雇用主によって差があり、全額支給されているところから月額上限が設けられているところまでがあります。基本的に全額支給とされている場合では通勤にかかる費用の全額が支給され、10万円までが非課税額と定められているためそれ以内であれば課税されることもありません。

通勤手当に上限が設けられている場合では、その額が月に支給される手当の上限額となります。通勤手当の月額上限は、病院などでは27,000~30,000円程度までというのが平均的です。

マイカー通勤の場合では、通勤距離によって支給額が算出されるケースが多く、大体3km以上からが通勤手当の支給対象です。3km以上10km未満で4,000円前後、もしくは1kmにつき13~15円というのが相場です。自転車通勤については、距離によって通勤手当が支給されるケースもあれば、駐輪料金のみが支給対象となるケースなどがあります。通勤距離が2km以内であれば、支給されないのが一般的です。

通勤手当の賢い使い方

通勤手当の支給を受ける際には、必ず申請した通りの方法で通勤する必要があります。中には申請した通勤方法とは異なる方法で通勤し、交通費を浮かすといったことをする人もいますが、これは通勤手当の不正受給にあたるため注意が必要です。

例えば、電車通勤を申請して定期代を支給されているにも関わらず、自転車通勤をすると通勤手当を不正に受給していることになります。場合によっては過去10年にまで遡って通勤手当の返還が求められたり、最悪の場合は懲戒処分になることもあります。

通勤手当は自由な使い方をしても良いというわけではないため、申請した通りの経路で通勤することが賢い使い方だと言えるでしょう。