精勤手当とは

精勤手当とは、名前のとおり仕事によく励んでいることを評価し、働く看護師を奨励する意味合いで支給される手当になります。病院ごとに定めた出勤を満たしていることが支給の条件となり、欠勤がないこと、少ないことなどが条件とされています。

支給の条件から皆勤手当、精皆勤手当などとも混同されがちで、実質どの病院でも同じものとして扱われています。精勤手当の意味は、頑張って働いてくれている看護師に感謝するものとされ、これからも頑張って働いて欲しいという報酬の前払いのようなものです。

精勤手当がつくようになる頃には、少なくとも1人前か、半人前の看護師として評価されています。ただし評価の基準は病院ごとに違うのが特徴で、同じくらい勤務しているのに、同僚の看護師と支給額が違ったり、そもそも支給されていなかったりします。

制度としては、無遅刻無欠席であることを評価するプラス支給制度と、一定額を精勤手当とし、遅刻や欠席があることに減額していくマイナス支給制度とに分かれます。後者は労働基準法に引っかかる可能性が高く、病院側としてはそれくらいならば最初から精勤手当制度そのものをなくしてしまう方が合理的と考え、廃止の案も出ています。

精勤手当をもらうための条件

精勤手当を詳しく言えば、精勤手当は皆勤手当と勤続手当の中間に位置している手当になります。皆勤手当は1か月間無遅刻無欠勤、出来れば早退もないことが支給の条件となります。

病院によっては有給休暇で欠勤した場合、皆勤手当から減額したり、しなかったりとさまざまです。それでも基本的には無遅刻無欠勤であることが皆勤手当の条件とされています。一方勤続手当とは、名前のとおり勤続年数に応じて支給される手当です。病院側にとっては長く勤めてくれる看護師に感謝し、これからも勤続し続けて欲しいという意味合いで支給します。

精勤手当はこの2つの手当の中間であり、出来るだけ遅刻欠勤早退がなく、何年か勤続した看護師を対象にして支給する手当になります。どれくらい遅刻欠勤早退がないか、何年目から精勤手当の対象となるかは、病院が定める給与規定によって異なります。少なくとも配属されたばかりの新卒看護師には支給されず、配属されて暫く経ってから精勤手当の対象となります。

中には勤続1年目から遅刻欠勤早退が少ないことを評価し、支給する病院もありますが、少数派に留まっています。

精勤手当の相場はいくら?

精勤手当の相場は、まず病院やクリニックなど医療機関で勤務している看護師だと、5,000円から8,000円くらい、1万円未満が普通です。高くても1万円前後が相場です。産業看護師など民間企業で働いている看護師の場合は、やや高めで1万円前後が相場となっています。

これは企業で働く方が全体の給与が高めであることに影響されており、精勤手当の平均相場も自然と高く設定されているからです。医療機関でも大手の総合病院、国立病院などでは高めに設定されていることがあり、1万円より高いことがあります。

例えば利用者が裕福な高齢者のことが多い高給老人ホームなどでは、最高2万円、3万円の精勤手当が支給されるケースがあります。

求人票で確認するべきポイント

精勤手当は病院ごとに支給基準がまるで異なり、求人に記載されていても支給額が変動しやすいものです。出来れば応募して面接の段階で精勤手当について尋ねておき、どんな基準で支給されるのかはっきりさせておいた方が無難です。

基本的に常勤の看護師が対象となっていますが、非常勤看護師でも何年か勤務すると支給の対象となることもあるため、面接の質問事項としては一般的なものになります。実は精勤手当は、皆勤手当と一緒に廃止される傾向にあります。

本来看護師の出勤奨励を目的として支給される手当ですが、減額方式で支給されることが多く、かえって勤労意欲を削いでしまうことがあるからです。精勤手当の支給基準は皆勤手当よりは緩いものの、合理性から廃止を検討する職場が増えており、これから先は精勤手当のある求人は減っていくことが予想できます。

敢えて精勤手当を支給すると記載している求人は、精勤手当を目当てにした看護師を欲しており、辞めないで長く働いて欲しいというアピールでもあります。