循環器内科と言えば、血液の病気、血圧異常、生活習慣病や、虚血性心疾患や心不全、心機能の低下や、器質的病変などが挙げられるでしょう。

外科的療法を行わず、保存的に服薬管理やセルフケアなどにより日常生活、療養生活を行ったり、重症な場合は、補助循環などを利用し、心ポンプ機能をアシストするなど、その状態により専門的治療を行う診療科です。

そして、患者さんの病識により大きく左右される疾患領域であり、自分でも健康維持、健康管理出来るよう知識的、技術的支援を要する現場でもあります。

また、その方の心機能により、セルフケアへの支援、全身状態の管理などそれぞれに応じた看護ケアを行います。

中高年の方や、高齢者など、年齢層も幅広い特徴があります。

必要な看護技術と知識

まずは、患者さんの健康観察や、どのような経過を辿っているのかを観察する事炉から始まります。

その重度、軽度により全く異なったケアや関わりとなります。

身の回りのお世話

ここに入院する患者さんには、それぞれに安制度が言い渡されます。

特に制限のない患者さんもいれば、病棟内フリー、ベッド上安静、絶対安静など、新機能や治療状況により活動制限がなされます。

よって、日常生活での排泄、食事、入浴などの活動も制限されるようになります。

排泄では、トイレ見守り、尿器介助、おむつ交換などがあり、食事では、経菅栄養や点滴による栄養補給の介助、摂食可能な患者さんの食事支援もあります。

また、入浴に関しては、シャワー浴、全身清拭、洗髪など、その制限に応じた清潔、安楽ケアを行います。

セルフケア指導

状態が安定している患者さんは、退院後に正しくセルフケアする事で、状態悪化とならないよう教育支援を行います。

そのような症状が出たら病院受診が必要か、服薬時間や量に関する服薬指導、日常生活で必要な注意事項の確認などを行います。

状態が安定してきた患者さんは、「もう大丈夫であろう」と医師の判断なしに治療や通院を中断してしまう事があります。

そのような事が無いよう、治療の継続の必要性と、自己管理へのプラスイメージを与える教育方法を習得する必要があります。

また、新人看護師や若手の看護師は、「こんな娘に言われたくない」とその指導をまともに受けてもらえないケースもあります。

それには、自分の知識と技術、説得力を持って立ち向かわなければなりません。患者さんに信頼される知識と技術の練磨も必要です。

心電図検査の介助

新人看護が苦手とする検査の一つが心電図検査です。

多くの病院は、臨床検査技師が実行する事が多いですが、夜勤などの緊急時に急きょ検査しなければならなくなった時の為にも、出来るようになっておかなければなりません。

また、その解析、アセスメントにより、異常がどうかの判断も求められます。

異常時、一刻も早い報告と対処により患者さんを救出できると言う事も理解しておく必要があります。

水分出納バランスのアセスメント

循環器疾患で重要なのが、IN-OUTバランスではないでしょうか。

何を飲んで、何を食べ、どれほどの点滴を行い、どれだけの排泄うを得ているかにより、心負荷や心機能の判断指標となるものです。

浮腫、体重増減、呼吸困難などの症状も含めて、水分出納バランスのチェックと、その異常有無の判断が出来ることが求められます。

まとめ

循環器内科に入院する患者さんの健康レベルは、一人一人かなり異なります。

同じ疾患でもたどる経過は異なり、その症状が非典型的であったり、治療の種類も一定ではありません。

また、最近では、一つの疾患だけではなく、複数の疾患を抱えながら療養する患者さんも増えてきている為、新人看護師も、循環器に関わりそうな腎臓系や内分泌系などの領域を越えた疾患理解を求められる事があるでしょう。