1.目的と適応
患者から採取した血液を培養し、血液中に感染を引き起こす微生物が侵入していると否かを調べる方法。
その結果により、感染を引き起こしている菌を特定でき、適切な治療方法に結び付けることができる。
2.必要物品
- 手袋
- 滅菌手袋
- 駆血帯
- 消毒綿(イソジン)
- 注射針
- シリンジ
- 血液培養ボトル2セット
- お針箱
- 止血用テープ
- 止血用アルコール綿
- トレイ
3.手順
- 必要物品を準備する
- 穿刺部位を決定する
- 血培ボトルの準備をする
- 患者へ駆血帯を巻く
- 穿刺部位をイソジンで消毒する
- 滅菌手袋を装着する
- 採血する
- 血培ボトルに血液を分注する
- 患者の止血処置を行う
- 採取部位を変えて、2.~9.を繰り替えし同様に2本目を採取する
- 検体を提出する
- 片づける
・血管の走行や、血管の固さなどを確認する
・2本のボトルのキャップを外し、ゴム栓をイソジンで消毒する
・患者の腕を駆血している状態のため、時間をかけない
・穿刺時や抜針時に、皮膚やアルコール綿に注射針が触れないように注意する(菌が付着する恐れあり)
・嫌気性→好気性の順番で分注する
・適正量分注しなければ正しい結果が得られないため、必要量採取しそれぞれ必要量分注する必要がある
4.合併症
●皮下出血
十分な止血処置が行われないと血管内から皮下へ血液が漏れ出し、皮下出血となる。
医療者側の原因として、技術不足などがあり、患者側の原因としては、血管がもろい、血小板低値、抗凝固薬内服などが考えられる。
・抜針後、十分な圧迫止血を行う。
・ワーファリンなど抗凝固薬内服の有無を確認する。
・万が一、皮下出血が発生した場合は、自然に吸収されるため問題ないことを患者に伝える。
●神経損傷
血管と神経は併走していることが多く、穿刺により血管損傷の原因となりやすい。
・神経の走行を学習し、なるべく深部の血管を穿刺しない。
・痛みや痺れを訴えた場合は、直ちに抜針する。
●血管迷走神経反射
採血に対するストレスや恐怖により迷走神経を刺激して、迷走神経の興奮が血圧低下、徐脈、気分不快などの症状を呈する。
・気分転換やストレスの軽減に努める。声掛けや説明を十分に行う。
・症状出現時は、仰臥位にバイタルサインの測定を行う。
●針刺し事故
患者に使用した針を誤って医療者側に刺してしまう医療事故である。B型肝炎、C型肝炎、HIVなどの感染暴露が問題となる。
・リキャップはしない。
・針刺し事故が発生した場合は、直ちに血液を絞り出し、十分な流水で洗い流し消毒する。
・院内の針刺し事故マニュアルに準じて対応する。
ワンポイントメモ
嫌気性(オレンジ)→好気性(青)の順番で分注。
「オレが先」と覚えると良い!
早めの行動が◎
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