転職回数の年代別傾向

20代の状況 2回から3回の転職を経験している人が多く、転職者を採用する上でもその後経験が蓄積されることによって優秀なスタッフになるであろうといった将来性を見込んでいるところがあります。
30代の状況 転職経験としては、3回から4回程度という人が多くなっています。採用にあたってはある程度豊富な経験を積んでいて、重要な役割を担うことが期待されます。
40代の状況 結婚や子育てなどのために現場を離れていた人が復職する場合も多く、それからさらに転職するという場合には回数として2回から3回が目安です。

負担が少ない職場でキャリアを再開し家庭との両立について目途が立ってから転職するケースが目立ち、前職における在籍期間の短さや人間関係を理由とした退職となると年齢もあってネックになってしまいます。

転職をめぐる状況

看護師の不足が全国的に深刻な問題となっていることもあり、転職しやすい職種ではあります。全国各地で人材不足を解消しようとさまざまな取り組みが行われていて、一般ですと1人に対する求人倍率は0.9倍ながら看護師の求人倍率は2.7倍です。

職場へ希望する条件についてこだわりすぎなければ、再就職先を見つけることもそう難しくはありません。しかしながら、だからといって転職を重ねることは良くありません。

個人による違い

人材として見られる

7回や8回といったように転職を繰り返していても成功している人はいて、その逆にはじめての転職であっても失敗してしまう人もいます。人材不足を補おうとして採用しているとはいっても、資格があれば誰でも受け入れているというわけではありません。

先入観が生まれる

すぐに退職してしまうのではないか、忍耐力がないのではないかなどといったマイナスのイメージが生まれてしまいます。

実際に複数回数の転職理由がすべて人間関係や職場に馴染まなかったなどの理由ですと適性の無さやコミュニケーション力の欠如、さらには人間としての問題も疑われかねません。

採用にともなうリスク

採用して間もなく、あるいはある程度職場に慣れてからという段階で離職されるとなると再び新たなスタッフを教育し直さなければならず、職場の負担も大きくなってしまいます。

どれだけ優秀なスキルを持っていても、仕事に必要な人間関係を築くことができなければ積極的に受け入れようと思わないのです。

評価される場合も

転職回数が多くなっていてもそれぞれの職場で在籍期間が長い場合や勤務先の廃院などといったやむを得ない離職理由がある場合、ネックにはなりません。

将来のキャリアプランに向かって転職を重ねているような場合も同様であり、求人元でも回数より働いていた期間や退職理由を重視するケースが少なくないのです。

転職回数が多い看護師によく見られる失敗例

理想が高すぎる

理想を描き、なりたい看護師像に向かって転職を繰り返しているのですが、理想とその時点での力量が見合っていないためになかなか採用されていません。資格を持っているからというだけで務まる仕事ではありませんから、持っている技術や知識を自覚した上で冷静になって妥協点を決めることも大切です。

収入にこだわりすぎる

高い収入が得られることにそれなりのリスクを伴う場合も少なくなく、大変な重労働が要求されて続かなかったという事例もあります。

思っていた以上にハードな仕事で残業が多かった、月給は高額である一方ボーナスは少なく福利厚生もしっかりしていなかったなどの事例もあり、いわゆる「ブラック病院」だったというケースもあるのです。

うまくいかない時だってある

転職するにあたっては当然ですが、これまでよりも良い条件で働くことのできる職場を見つけたいものです。自分なりに良いと思って入職してみたものの、実際に働いてみると違っていて前の職場が良かったと転職を後悔する場合、退職する場合もあります。

転職は慎重に考えて!!

売り手市場ではありますが、だからといって深く考えずに転職の回数を重ねていって良いことにはなりません。その都度あらたな人間関係を築くことにも労力を要しますし、安易な理由で転職していても仕事の悩みや問題が解決するとは限らないのです。