美容外科という診療科は、命に関わる、放置しておくと危険な疾患と言うよりは、患者さんの美的意識の問題により、「美しくなりたい」「此処を綺麗にして自信をつけたい」等の思いで診療を受ける患者さんが多いことが特徴です。

そのため、その人の願いや思いを容姿の変容を持って実現するお手伝いをすることが仕事内容となります。整形手術や形成手術により、自信を取り戻した患者さんは、喜びの表情で胸を張って退院し、自分らしい生活を取り戻します。

豊胸手術、瞼の形成術、脂肪吸引、エイジングケア、鼻を高くする手術など、容姿にコンプレクスを抱える患者さんの救世主と言われる場が、美容整形外科なのです。

では、そのような自己意識や美意識の高い患者さんを相手とする美容外科での必要な看護知識と看護技術はどのようなものがあるでしょうか。

必要な看護技術・知識

基本的には美容に関する手術を行う医師の診療や手術の介助、皮膚や術後創の管理等の技術が求められます。

また、術前後のメンタルケアが必須で、自分の容姿に自信を失っている患者さんに対して自信を付けて退院できる支援が求められます。

そして、退院後のスキンケアや創部ケアにより、より美しく手術効果を感じられる生活指導が必要です。

手術や処置に用いる器具を取扱う技術

器具類の管理は、保管、消毒、使用に注意が必要です。物品が朽ちないような管理法とケア、使用前の滅菌や殺菌方法、使用後の消毒、滅菌方法、片づけ方や洗浄剤の選択法等の知識が必要です。

また、時に肝炎ウイルスなどの感染症を抱えている患者さんを診療した際の特別な消毒法などの院内マニュアルを熟知しておく必要もあります。

スキンケアに関する知識

美容外科では、美的な手術の他、エイジングケアや美容管理法を知りたい患者さんが多くいます。年齢を感じさせない皮膚の保湿ケアや洗浄方法など、診療中や処置中などに聞かれることも多くあります。

そのような患者さんの悩みや質問に応えられる知識が必要です。化粧品や、美容ケア用品についての知識も併せ持っていれば、なお、患者さんの為に生活で指導や教育がし易く、信頼関係を築きやすいこととなります。

カウンセリング技術と提案力

より「美」を高めたい患者さんに対し、情報提供と選択肢の豊富さを持って対応できる事が望まれます。

一人一人のニーズに応じられる施術法を知っておき、その人に適した方法を説明し、意思決定がしやすいよう説明する話法が必要です。また、「こうしてはどうか」などと、悩んでいる患者さんに提案出来ることも患者さんに安心をあたえるケアが行えることとなります。

しかし、ここで大切なのは、もし思うようにならなかった時に、「あなたがあのとき、こう言ったから」と責められる対象となり得ない事を知っておくことです。

よって、押しつけがましい説明や選択の強要にならないよう、一つの情報として伝える程度の提案で留めておくコミュニケーション法を身につける必要があります。

自身の美的意識向上とその技術

美を取り扱う職業人として、自分自身がきれいであることに努めなければなりません。綺麗な白衣で、綺麗にメイクし、綺麗に髪束ね、健康的に元気で仕事を行う姿勢が必要です。

この人のように綺麗ではつらつと生活したいと患者さんに思われるような看護師でなければなりません。スキンケア技術、メイクアップ技術、接遇などの対応技術を弁え、感じよく思われる対応が出来うrことが求められます。

まとめ

美容外科での看護は、通常の医療現場で行っていた看護とは違ったケア力が求められます。

話を聞く、悩みを明らかにする、その悩みを何を持って解決できるかを共に考える姿勢は必要とされます。

そして、退院する時に、その人の思おいがかなえられた事を共に喜べる姿勢で、自信を持って社会へ踏み出せる力を与えられる看護師が必要とされる現場です。