1.目的と適応

 肉眼では確認できない微生物にも汚染されていない器具を用い、新たな微生物を付着させないような操作を行うこと。

 中心静脈カテーテル挿入時、ドレーン挿入時、膀胱留置カテーテル留置時、気管吸引、血液培養検査など、無菌操作が必要となる処置は多くある。
 

無菌操作で必要なこと

  1. インジゲーターの色を確認し、滅菌されているかを確認する
  2. 滅菌済の有無を肉眼では確認できないため、滅菌済=テープの印字が変色していることで確認する。全面が変色してない場合は、滅菌が不十分であることがあるため使用を避ける。

  3. 滅菌の有効期限が切れていないか確認する
  4. 日付のみで印字されているものや、砂時計が印刷されているものがある。砂時計の場合、砂がすべて下に落ちた状態のものが使用期限である。期限を過ぎていると、滅菌精度が下がるため使用しない。

  5. 破損などを確認する
  6. 包装に破損や、穴が開いている場合がある。準備の段階で隅々まで確認する。

保管場所も、高温多湿を避けて汚染させやすい場所には保管しない。

2.攝子での操作

滅菌操作は、「攝子」から始まる!と言っても過言ではありません。
ガウンテクニック、滅菌手袋の装着方法など、無菌操作に関する項目は多くありますが、ここでは攝子での操作について記載します。

攝子の取り出し方

  1. 滅菌されている袋や滅菌立てから取り出す際は、縁などに触れないように垂直に取り出す。
  2. 攝子の先端は閉じる

持ち方

  1. 鉛筆を持つように掴む
  2. 上部1/3を持つ
  3. 先端は下向きで、使用時以外は先端は閉じたまま
  4. 先端は水平から上部には向けない。薬液が持ち手に流れ、再度下げた際に汚染される。

攝子を用いた受け渡し

  1. 綿球を攝子で受け渡す際、渡す側が綿球の上部を、受け取る側が下部を掴む。
  2. それぞれの攝子が触れないように注意する。
  3. 受け取る側の攝子は、以前の処置で汚染されている場合があるため

消毒綿球の扱い方

  1. 個包装されているもの、ディスポーザブルの容器から綿球をと取り出す場合は、攝子で綿球の端を掴み、容器の内側で余分な消毒液を取り除く。
  2. 現在は、綿球ではなくスワブスティックという綿棒タイプのものが用いられていることが多い。

ワンポイントメモ

洗浄:汚染物を取り除くこと
消毒:病原体を取り除くこと
滅菌:病原体、微生物を完全に取り除くこと

無菌:滅菌され微生物まで取り除かれた状態
清潔:滅菌され微生物まで取り除かれた状態

病院での「清潔」は、家庭での清潔とは意味が異なりますね。