資格手当とは

資格手当とは、職員が持つ一定の資格に支給される手当のことで、看護師の場合は「看護師」という資格に対して支給される手当です。

病院で働く医療従事者はそれぞれ資格を持っており、資格そのものが手当の対象となっているのは看護師だけではありません。医師や薬剤師、さまざまな技師はそれぞれ資格を持っており、看護師と同じように資格手当が支給されています。

もう少し正確に言えば、正看護師手当と准看護師手当とに分かれ、正看護師と准看護師の差別化、そして基本給との調整に使われる手当でもあります。

どんな資格でも手当の対象になるわけではなく、看護師求人を出す時に他の職種との差別化は重要なポイントです。正看護師と准看護師の違いもまた差別化の一環であり、正看護師は国家資格であること、准看護師は都道府県の資格であることの差から来ています。基本給で差をつけるのではなく、資格手当で差をつけることで分かりやすく認識し、なおかつ非常勤と常勤の差と間違えないようにしてあります。

また、看護師資格以外にも認定看護師や専門看護師など、看護師が他の資格を取得していると更に資格手当がつくことがあります。看護師という資格を得るのに労力、時間、お金がかかるように、認定看護師や専門看護師は更に経験を積んで学費をかけ、時間をかけて取得します。そうした労力への報酬であり、看護師としてのスキルを向上させたことへの評価に当たります。

資格手当はどうしたらもらえるの?

資格手当をもらうためには、正看護師、准看護師それぞれの資格を取得していることが前提条件です。看護学校を卒業し、看護師試験に合格して初めて手にすることができます。

求人に応募する際には、看護学校を卒業見込みであれば成績証明書、卒業見込証明書などを応募書類として提出します。既卒者で看護師の資格を持っているのなら看護師の免許証の写しを一緒に提出します。

看護師以外に保健師や助産師の資格を持っている場合は、それらの免許の写しも提出します。職場によってはそれらの資格への手当が支給されることもあるからです。

認定看護師や専門看護師の資格手当を得るためには、それぞれ資格を取得し求人に応募する際にはこの分野の資格を持っていることを明記し、認定看護師免許証、専門看護師免許証の写しをそれぞれ提出ないし応募に際して持参します。その職場で経験を積んで認定看護師や専門看護師の資格を得た場合は、改めて写しを提出することになります。

資格手当の相場はいくら?

資格手当の相場は、正看護師が10,000円から20,000円ほど、准看護師が10,000円前後で、正看護師の資格手当の方が高く設定されていて差別化が図られています。

正看護師だけ、あるいは准看護師だけの病院やクリニックでは、差別化は必要ないため資格手当を支給せず基本給を上げると言った措置もあります。

専門看護師や認定看護師の資格手当の相場は、おおよそ3,000円から5,000円、高ければ10,000円前後が相場です。中には資格手当が支給されず、基本給を底上げして事実上の手当に充てていること、他の待遇を向上させて手当に相当するものを支給していることがあります。

相場はありますが、必ず支給しなくてはならない決まりはなく病院ごとに支給額のばらつきが目立ちます。

資格手当の賢い使い方

資格手当は、看護師として働く上で確かに重要な位置を占めています。

しかし、求人を選ぶ際には資格手当にばかり注目していて肝心な基本給をきちんと見ておらず、全体の給料を計算し間違える可能性があります。

賢い資格手当の使い方としては、資格手当と基本給両方を見て計算し、自分が今持っている資格を如何に評価してくれるか、その上で基本給の高い待遇の良い求人を見つけ出すかにかかっています。

資格手当の支給方法は各病院ごとに大きな差があり、全く資格手当が出ない病院というのもあります。それでも福利厚生や基本給が高かったりと、求人としての見どころは沢山あるということを忘れてはなりません。資格手当というのはあくまで求人の一角であり、全てではないのです。